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ハンドドリップコーヒーで雑味が生じる4つの原因

ハンドドリップで美味しいコーヒーを淹れたい時、一番の問題が『雑味』です。

・お店と同じコーヒー豆なのに、なぜか美味しくならない
・教えてもらった淹れ方なのに、同じ味にならない

などなど、ご家庭でハンドドリップをするとき、誰もが抱えるこの悩み。ちゃんと解決方法があります


実は雑味の原因は4つに絞ることができて、コツを押さえれば誰でも解決もできるのです。

ハンドドリップコーヒーの雑味と4つの原因

雑味

雑味の原因①:水

コーヒーに含まれる成分の約98%は”水”です。まったく水。ほぼ水です。

ハンドドリップすると真っ黒もしくは赤茶色に変わりますが、実は抽出される成分は2%にも満たないのです。


逆に、それで味がこれだけ変わるってすごいよね。


と言うわけで、コーヒーの主成分である水が美味しくなければ、ハンドドリップが美味しくなるわけありません。

ハンドドリップするときは、『ミネラルウォーター』か『浄水器』をお勧めします。

水道水は、消毒の為にカルキ(人体に影響がない程度の塩素)が含まれています。もちろん、完全に沸騰させればカルキ臭が飛ぶため、コーヒーのフレーバーを阻害する要素は少なくなります。

水道水でも、ハンドドリップコーヒーの味わいには、それほど影響がないように感じます。


ですが、一度、水道水とミネラルウォーターを飲み比べてみてください。


水道水、なんだか重たい印象がありませんか?

水道水は、河川等で採水されたのちに然るべき施設で消毒され、長ーい水道管を通って各家庭へ届きます。人体に影響はなくても、不純物はやはり含まれています。

美味しいコーヒーは美味しい水で淹れましょう。


あと、ハンドドリップには硬水ではなく軟水を使用してください。硬水にはミネラル分が多く含まれているため、コーヒー本来の味わいを阻害する可能性があります。

エビアンとか、コントレックスとかは、ハンドドリップでは使わないように・・・。


雑味の原因②:珈琲豆の品質

意外と見逃しやすいのが『珈琲豆の品質』です。

珈琲は素材本位のドリンクです。素材となる生豆が良いもので、かつ、適切な焙煎が行われなければ、美味しくなりません。

ハンドドリップをどう頑張っても美味しくならないなら、もしかしたら珈琲豆自体を疑った方が良いかもしれません。


また、コーヒー豆は飲み頃が非常に大切です。

エイジング

コーヒーの生豆は焙煎によって加熱されると、中で化学変化が起こります。それによって香りのもととなる成分や美味しさの元が生まれるのですが、その一方で”二酸化炭素を主成分とするガス”が生じます


このガスは、焙煎後に放出が始まります。ですので、焙煎直後はガスっぽく、煙たい味わいがします。

コーヒー本来のフレーバーは、感じるのが非常に難しい。

焼きたてのコーヒーは、ガスが邪魔して本来のフレーバーは感じられないはずです。


従って、飲み頃は
・浅煎り珈琲豆 → 焙煎後1週間前後
・深煎り珈琲豆 → 焙煎後5日前後

浅煎り珈琲豆の飲み頃が若干遅いのは、深煎りに比べて豆の密度が高く、硬いため、ガスが逃げづらいからです。

ただし、この飲み頃はロースターさんによって異なります。豆を買うときに焙煎士に聞いてみるのがベストです。


このように、焙煎後から飲み頃になるまで、珈琲豆を適切な環境下で寝かせることをエイジングと言います。

たまに、エイジングを熟成と言う人もいますが、これは違います。エイジング中に、豆の中で成分の変化は起きないはずなので。


また、焙煎後の日数が経つにつれて、香味成分はどんどん揮発していきます。

2週間や1ヶ月も経てば、何が何だか分からなくなってきます。もちろん、保管条件にもよります。(冷凍・冷蔵下ならまだいけるかも)

さらに、グラインダー等で挽いた豆は、挽いてない豆に比べて劣化は速くなります。

珈琲豆は挽いた瞬間から劣化が始まると考えてください。


従って、量販店やチェーン店で売られている珈琲豆は、エイジングの管理ができているかについては、疑問を感じます。

賞味期限は記載されてますが、焙煎日って書いてないですよね。

私は、コーヒーの品質管理においてエイジングはとても重要なことだと考えているので、珈琲豆は信頼できるロースターさんから買うようにしています。


雑味の原因③:お湯の温度

湯温とフレーバー

ハンドドリップコーヒーをする上で、お湯の温度はメチャクチャ大事です。

お湯の温度が高ければ高いほど、抽出効率が上がるため、成分の出が良くなります。つまり、過抽出になりやすくなる。

過抽出で、成分が出過ぎてしまうと、雑味が抽出される可能性があります。


この湯温は、焙煎度合いによっても適温が異なります。私が考える適温は、

・深煎り:88~93℃
・浅煎り:93~96℃

もちろん、適温の考え方はロースターさんによって変わるので、一度珈琲豆を買うときに聞いてみてください。

この温度以上だと、過抽出で雑味が感じられます。

この温度以下だと、フレーバーが開かず、なんだかよくわからない味になります。


また、お湯の温度を調整するときは、沸かし切ってから冷ますことをお勧めします。

特に水道水は、カルキ臭を飛ばすために、沸騰させた方が良いです。


雑味の原因④:コーヒー豆の粒度と微粉

最後に大切なのが、コーヒー豆の粒度です。

粒度と濃度

同じコーヒー豆の量でハンドドリップをするとき、粒度が細いほど、濃度が濃くなります。

細かいほど表面積が広くなり、お湯も浸透しやすくなるため、粗いものに比べて成分がたくさん抽出されるのです。


この粒度は、細すぎると過抽出になり、雑味の一員となります。

ハンドドリップをしてみて、
・味が濃すぎる
・イガイガする、辛みを感じる
・雑味を感じる
時は、粒度を粗くしてみてください。


また、微粉にも注意が必要です。

微粉とは、コーヒー豆を挽いた時に生じる細かい粉です。


挽いたコーヒー豆を篩(ふるい)や茶こしに入れて振ってみると、細かい微粉末がパラパラ落ちてきます。

これが結構厄介者です。

先ほど、粒度が細かいほど成分の出が良くなる、と話しました。

微粉は文字通り、非常に細かいため、お湯がかかれば即過抽出状態になります。

微粉からは、確実に雑味が抽出されると言っても良いでしょう。


この微粉、どうやって対策すればいいかと言うと、主に2つの方法があります。

① 良いグラインダーを使う。
② パウダーコントロールする。

微粉は、グラインダーの品質に依存します。良いグラインダーほど、微粉が少ないです。

美味しいコーヒーを淹れるには、良いグラインダーは必要です。お店に頼んで、挽いてもらうのも有りですね。


パウダーコントロールとは、茶こしみたいな網目状の容器を使って微粉を取り除くことを言います。

ネットとかで探してみると、SAZA COFFEEのパウダーコントロールストッカーとか、KRUVEとか、いろいろ売ってます。

個人的には、パウダーコントロールは面倒くさいし、効率悪いので、良いグラインダー買うことをお勧めします。

グラインダーについては、また今度詳しく書こうと思います。


まとめ

ハンドドリップコーヒーの雑味の原因は、次の4つ。

雑味

① 水は『ミネラルウォーター』か『浄水器』がおすすめ

② 珈琲豆はロースターさんから買うのがおすすめ

③ コーヒーの飲み頃は焙煎後から5~1週間後です

④ ハンドドリップには適温があって、それ以上だと雑味の原因

⑤ コーヒーの挽き目が細かすぎると、過抽出になります

⑥ 微粉対策は、良いグラインダー買うのが手っ取り早いです


ここら辺の条件が整えれば、あとは抽出レシピだけキレイになれば、お店と変わらないくらい美味しいコーヒーが淹れられます。

いろいろ試してみてください~。

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