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カラオケ、料理、文章

大通り沿いから夕日の差し込む窓。平成の遺産のようなカラオケ館に行きました。カラオケでは、聴くのみでは気づけない面白さを改めて曲の中から発見できます。映し出される歌詞を追うことで、言葉の意味を考える、歌詞のつながりに気づく、心情の変化を読み取る。音程をとろうとすることで、抑揚で伝えたいことを感じる。

好きな料理は、自分でつくることで必要な材料を知り、過程を知り、片づけ方を知る。理解が深まるほどに、好きは、大好きになっていく。今までより、その料理を見る角度が増えたる。意外な一面ほど引き込まれるのと同じように。

リズムの良い文章を書き写すことで、語尾のつけ方の変化に気づく、文の長さの不規則性を学ぶ。表現の多彩さに、すった息を吐き忘れる。書いてみてはじめて、自分がなぜ好きだったのか説明できるようになる。

カラオケも文章、料理も自分の身体を通して再現することで、多方向から対象を知ることができる。情報としての好きを、実感をともなった好きに変化する。めくるめく自分の好きを、多くの角度から照らす。どんなに気になっている漫画の先読みよりもワクワクする。胸が熱くなる。

そこで今日は8時間歌った。


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