そろそろ沢北が参拝した神社のモデルについてちゃんと考察しようと思う【映画スラムダンク】
ありがたいことに上の感想記事、実はいずれも1万PVは余裕超えのかなりアクセス数を頂いておりまして「数あるザファの感想記事でどうしてだ?」と読み返してみたら、どちらも沢北の神社のモデルについて触れていることが大きいみたい。
みんな気になるよね〜。神社好きとしては私も気になってる。
今までちょこまか書いてはいるんだけど、今回は劇中の要素から外れてスラムダンクを日本神話や神社に焦点を置いて書きたいなと。
今まで書いた記事の「私なりの沢北神社のモデル考察総集編」という形でお送りします。
1.田無神社
初めに、沢北が参拝していた神社は実在している神社のミックスだと考えております。
クレジットで取材協力している東京の「田無神社」は拝殿のデザインが似ていたので拝殿のデザインや作法など細かい部分を田無神社に確認を依頼し、場所のモデルを秋田に鎮座する「森子大物忌神社」を借りたのだと思います。
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公式聖地なのでまずはクレジットにある田無神社から。こちらは東京の神社。
東京の田無駅から徒歩10分ほどにある神社。主祭神は尉殿大権現(級津彦命・級戸辺命の二柱のことを田無神社ではこう呼ぶそうです)、大国主命。
尉殿大権現は全ての命の源であるお水と、万の災いを祓う厄除けと水と風の神様。
級長津彦は「鬼滅の刃」の風柱・不死川実弥のモデルとされている風の神様です。
日本で最初の神様であるイザナギが朝霧を晴らすため息を吹いたところ、この神様が生まれたという伝説が。
「尉殿大権現は金龍神として顕現する」と書かれているのでお姿は本殿にいるこの龍かな。
大国主命は出雲大社で祀られている神様。ご利益は縁結びはもちろん、他にも人間にとっていいことほぼ全部と言っても過言ではないほど福の神。
「縁結び」と聞くと沢北が流川というピカピカ1年生スーパーエースと緒戦で対峙したのも神様の悪戯だったり、なんて想像が容易い。
他には須佐之男命・猿田彦命・八街比古命・八街比売命・日本武尊・大鳥大神・応神天皇など多種多様な神様がいらっしゃいます。
同時に5頭の龍が祀られていることで有名。
龍は先程の金龍神に加えて青龍神、赤龍神、白龍神、黒龍神の5種類。境内には本殿の中心と隅の東西南北に配置。ご利益も龍の色によって違います。
イメージ的に中心の金がゴリで赤が花道、青が流川、白が三井、黒がリョータとか考えちゃうよね。
田無神社には亀はいませんが「龍神池」と呼ばれる池があります。12月に行ったときはまだ紅葉が残っていて、風情あって最高に和でした。
お越しの際はキッチンカーのコーヒーと龍みくじがオススメ。
コーヒーは注文してから挽いてくれるから凄く美味しい!
龍みくじは陶器でクオリティ高いし顔が可愛くてちまちま集めている。お値段500円。全5種。現在2種。あと3回お参りしないと。ちなみに金のときは大吉!色は湘北の赤と山王の白黒もあったよ。でも次行くときは好きな青色狙い。
私は御朱印集めをしていないのだけど、全国的にも珍しい切り絵の御朱印がもらえるみたいなので御朱印好きにもオススメ。
2.森子大物忌神社
秋田にある神社について調べてみて雰囲気が一番近いなと思ったのが、由利本荘市にある「森子大物忌神社(もりこおおものいみじんじゃ)」。場所のモデルはこちらを借りたんじゃないかなと推測。
劇中の共通項としては下記。
沢北は朝方参拝していたけどかなり薄暗かったよね。こうしてみると階段ダッシュするにしては苔で滑って危ないね。
御祭神は「宇迦之御魂神」なのでお稲荷さん。この表記だと古事記由来かな。お稲荷さんは元々稲や穀物の神様で、今は商売繁盛の神様(ウカが穀物を意味します)。
「大物忌神」はこの鳥海山に宿る神で、宇迦之御魂神と同神だとされているらしい。
そもそもこちらは「鳥海山信仰」と呼ばれる山岳信仰で「山全体が神様」という考え。修験者はこの山で修行をするそう。
この神社では毎年米俵10俵分と言われる御輿を担ぎ、氏子が300段の参道を一気に登り切る例大祭が行われるらしい。本物の御神輿だけでかなり重いのに想像しただけでキツい…山王の合宿逃げ出しエピソードが脳裏を過ぎる…
ちなみにこの例大祭は昔は鳥海山は活火山なので噴火が起こると「神様の怒り」とされてきたみたいで、神様の怒りを鎮めるために始まったらしい。
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気になる池ですが、ありました!
駐車場付近に「亀福院の湯」と呼ばれる冷泉という名の池があるらしい。ビンゴだ…地元の人すら知ってるか危うい情報、スラダンスタッフどうやって見つけてきたんだ…?スタッフに秋田出身がいたのかな。
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元々「森子大物忌神社」は「薬師堂」と呼ばれていて、仏像の「薬師如来」や「十二神将像」が安置されているみたいなんだけど、どうも神道と仏教が混在しているなんて珍しいなと調べてみたら神仏分離令で仏像を隠していただけらしい。何かと独特だなと思ってたけどなんとなくスッキリ。
元は仏教なんだね。山王全員坊主だからビジュアル的には仏教っぽいよね。
「十二神将像」はそのまま12体の守護神のこと。なまはげのガチムチバージョンみたいな。
余談だけど確かアニメの方の「どろろ」は「一族繁栄のため12鬼神に百鬼丸を差し出したためが、百鬼丸は体の部位ほとんどを奪われた状態で生まれた」という設定だったけど、これが元じゃないかな。
3.神社の亀
沢北がお参りしているとき池からひょこっと顔を出す亀。
神社の池に亀が住みついていることは珍しくはないのだけど、亀は水の神様のお使いなので「神様は沢北の願いを聞き入れた」と捉えることが出来る。
同時に池の亀は作品としての比喩でもあると思っていて、「ウサギ(山王)と亀(湘北)」だったり、「亀毛兎角(きもうとかく)」という四字熟語は「実在するはずがない物事」という意味なんだけど「負け知らずの山王=山王には敗北という概念が無い」とも捉えられるんだよね。
他には今度は連想ゲームで亀は水の神様、水といえば海、海といえば沖縄と湘南、沖縄と湘南といえばリョータ。
あの時の亀が沢北と異国の地でのリョータとの再戦も約束していたのかも。沢北にとってリョータとの再会も新たな必要な経験として。
鶏、カラス、ウサギ、鳩、狼、鹿など神様の化身とされている数ある動物の中からわさわざ「亀」を選んだのには深い意味があると思う。
4.湘北の江ノ島
せっかくなので湘北のことも。湘北といえばやっぱり湘南・江ノ島だよね。
江ノ島には根強い「龍伝説」がある。
↓以前書いた記事から抜粋
この五頭龍の気性の荒さとか「悪者見参!」の不良・湘北にイメージピッタリなんだよね。バスケのスタメンの5人だし。
個人的に凄く細かいなと思っている演出が、晴れた海の映像と豪雨のなど雨の音がズレている。
リョータが事故の後沖縄に一度帰るシーンが印象的。
この映像と音のズレが恐ろしく違和感ないんですよ。
普通なら「豪雨の音とソータに想いを寄せるリョータの号泣」を一致させると思うんだよね。でも会えてゲリラ豪雨の後にリョータが声を荒らげて号泣したシーンだけを持ってきたの、物凄く自然で好き。
5.願いを叶えたのは神か仏か
結論から申しますと、田無神社の神々が有効かな。
単純に森子大物忌神社は「商売繁盛のお稲荷さんの得意分野なのか?」というと違う気もするし、元々いた薬師如来は「薬師如来を信仰するものだけに願いを叶える」ので、単に”自主練の場所”として借りていただけの沢北は「格別信仰しているか?」と言われれば当てはまらない。
田無神社も「どの神様が?」というと神も龍もオールマイティなので考えるの難しいけど、水の神様の使いである亀がいるのと、沢北がお参りしたときさわさわと風が吹くので、主祭神の尉殿大権現かな。
また田無神社に関してはメインが風の神様だし、劇中でソータが風として演出されてるから(RE:SOURSE参照)、ストーリーとしても田無神社の方がしっくりくるかな。
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以上、沢北神社考察でした。個人的な見解なのであしからず。
田無神社に行ってご利益あったかと言われると、行きたくて行ってるだけで特にお願いごとはしていないのだけど、突然仕事で新規事務所のリノベーションを担当するという超ビックプロジェクトを任せてもらえることになったので何かしらはあるのでは無いでしょうか(快諾した時はこんな大事になるとは思っていなかった)
学生時代専攻していたインテリアの経験が活きる日が来るとは…人生分からんものだなあ。
私には「青森であおもり犬に会う」という人生の目標があるので、東北地方に行ったときは秋田の森子大物忌神社にも行きたいな。やっぱり夏に行きたいね!
山王推し、沢北推しの皆様はぜひぜひ旅行の候補にいかがでしょうか。
秋田の皆様、オススメグルメやスポット教えてください。特に温泉系とスイーツ!
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