【映画オッドタクシー】舞台挨拶の感想と本編考察
「オッドタクシー イン・ザ・ウッズ」の舞台挨拶付き上映に行ってきまして、舞台挨拶の感想と本編の考察を一気に羅列。
舞台挨拶はネタバレ無し、考察からはガッツリネタバレなのでご注意。
舞台挨拶感想
当選したのは「TOHOシネマズ新宿」上映後の回。
実は声優さんを生で見たのは初めて。俳優さんは「実在するんだ」と別次元感があるけど、声優さんは「どこからあの声が出るんだ」と生存確認する感じがある。
司会は天津の向さん。ガチでハマってるからはぐらかす監督にどんどんツッコミ入れてるの面白かった(笑)
飯田さんが「幅広い年齢層の方が来てくれた」と話してる時に客席にこどもを発見した花江さんが「わかる?わからないでしょ?」と振っててほんわかした🥰
「既にアニメで完結しているので映画ではどう広がるか気になった」と言ってたのは演者も同じだったんだなと。
映画を見た直後にキャストや監督から直接お話聞けるのいいね。これからも積極的に行きたい。
映画考察(ネタバレ)
ここからはアニメ、映画、オーディオドラマ含めて全てネタバレ。すぐ考察探るのも勿体ないので一度自分なりに整理したものを書き置いておく。
映画の構成はアニメのカット5割、心情3割、伏線回収1割、新たな謎1割と初心者向けに振り切った総集編+α。アニメと同じシーンも多いのでアニメ見た方からすると退屈するかも。制作スパンを考えたら妥当かな。
①和田垣さくらの逮捕
肝心なタクシー内での犯行から和田垣さくら逮捕までのシーンがごっそり無いので、散らばった伏線を回収するしかない。
小戸川は「運がいい」「助けてもらっている」と言っていたため協力を頼んだと考えられる。
前提として和田垣さくらの襲撃は「小戸川の計算」だと思う。
情報整理
・三矢ユキは失踪した女子高生で「ミステリー・キッス」の初代メンバー。父親は大御所落語家の笑風亭吞楽
・遺体の第一発見者はルイ。ルイが三矢に「センターを辞退してもらおう」と事務所に呼び出したところ、既に死亡していた
・ルイ、山本(マネージャー)、ヤノ(ラップ)、関口(白くま)は殺人容疑で逮捕されたが実際は死体遺棄のみ
・殺害したのは和田垣さくら。後に”三矢ユキ”の代わりとしてメンバー入り
・同じメンバーのしほは「殺人も犯しそうなほどのルイの向上心についていけない」「前の子(三矢)が良かった」と車内で本音を漏らしたが、おそらくしほは「三矢はルイが殺した」と思い込んでいる
・小戸川が以前乗せたのは”三矢ユキ”を名乗る和田垣さくら
・和田垣から「メンバーに入れろ」と直談判された直後に三矢ユキが殺害されたので山本は和田垣が犯人であることに気がついてた可能性もある。だが決定的な証拠がなくデビュー間近(売れればお金になる)だったため、根性負けして和田垣をメンバー入りさせた
・「逆手にとった」GPS機能
連絡先を知らない限り都内で同じタクシーを見つけるのは困難なので、小戸川のタクシーにGPSをつけたのは間違いない。「小戸川のタクシーにGPSを付けた」と言えば簡単だが「誰がどうやって付けたのか?」については様々考えられる。
①小戸川が自分でつけた
田中(消しゴムゲー廃)が和田垣にGPSを仕込ませて小戸川を追わせたのと同じ手法で、和田垣さくらを成敗しようと企んだ。これが小戸川の言う「逆手にとること」
今までも車内でドブに銃を突きつけられたり、山本に絞め殺されようとしたり、田中に撃たれたりと散々危険な目に合っているが、車ごと海にダイブしタクシーがダメになったタイミングで今井(10億円古参ヲタ)からもらった大金でGPSと録音機能付きの高性能ドラレコ付きのタクシーに買い替えた
②白川(アルパカ)がつけた
小戸川は「田中がGPSを仕込んだ」と考えていたが、白川が小戸川を助けたときのことをインタビューで「あの場にいたのは何故?(偶然居合わせたにしては不自然な工事現場)」と聞かれて濁していたので、あのGPSは白川が仕込んだものである可能性も考えられる。
単に白川がストーカーだったのか、はたまたドブの指示だったのか…
③和田垣が何かしらの手段でつけた
キリン(長嶋)の盗聴配信(オーディオドラマ参照)で公開された情報を元に小戸川の居場所を突き詰めた。もしくはキリンを始末するため「やまびこ」に乗り込みタエ子に危害を加えた後、タエ子から小戸川について直接あれこれ聞いた
・護衛として白川に協力依頼
「小戸川がバックミラーで行動を把握出来たので攻撃を交わせた」と言うのはあり得なくはないが、41歳の病み上がりのおじさんが出来るわけないので却下。
山本に絞め殺されそうになったところ白川が窓を叩き割り小戸川を助けて時と
同じように白川が助けたと考えると高い。
民間人で喧嘩的に強いドブは刑務所、関口は敵なので、消去法でも小戸川に好意のある白川を味方にするのは自然な流れ。
・幸せのボールペン
”幸せのボールペン”は度々出てくるハート型のボールペン。
人から人へあげることで自身に幸せになったり幸せが伝染すると言われているが、実は盗聴器が仕込まれている。ホモサピエンスのファンの長嶋(キリン)が盗聴した音声を流す配信している。
この”幸せのボールペン”の発端は居酒屋「やまびこ」のタエ子ママ。
ママの目的は以下2つ。
①小戸川の容疑を晴らそうと盗聴機能付きの”幸せのボールペン”を小戸川と親密なゴリラ先生にあげて小戸川の本音を探ろうとした
②小説を書くための資料集め
・一部始終の整理
両側の要点を整理してまとめ。
【小戸川サイド整理】
・小戸川が和田垣を捕まえようとしたのは
①三矢ユキ殺人の真犯人として警察に突き出すため
②女子高生失踪事件に加担していると進行形で疑われている可能性が残っており、和田垣を捕まえない限り自分の容疑も晴れない
③タエ子が和田垣に襲われたから
・小戸川は女子高生失踪事件の容疑者として疑われたり、家に銃弾撃たれて被害者になったりと警察(大門兄弟)とは直接的な繋がりがある。
またタクシー運転手という職業柄いつ和田垣が乗車するか不明なので事前に警察に協力を依頼
・小戸川が今井(宝くじ古参ヲタ)からもらった大金で録画録音・リアルタイム・GPSのついた高性能ドラレコ付きタクシーを新しく買ったと仮定。タクシーは海に沈んだので使えない
・小戸川は盗聴能力が優れたキリンにも協力を依頼。”幸せのボールペン”の現在の持ち主は和田垣さくら。キリンが”幸せのボールペン”を利用して和田垣さくらの現在地を割り出し、和田垣が近づけば小戸川に連絡が行くように仕掛けを作った
・小戸川のタクシー内のドラレコやGPSを受信できたのはキリン・アルパカ・警察。キリンは盗聴から和田垣の現在地の特定、アルパカは知らせを受けて小戸川の護衛、警察は駆けつけて現行犯逮捕、ドラレコや盗聴で証拠があるので逮捕確実
・最初から警察が動けば話が早いが、和田垣に関して様々な事件の証拠が無いので何かでアクションを起こさせないと警察も逮捕は困難。つまり全て小戸川の計算で小戸川が自身が囮となった作戦だった。
・白川と警察がタッグを組めば安全だが、いくら人の多い都内にしろパトカーに付き纏われたり警官がうろうろしては和田垣に怪しまれ千載一遇のチャンスを逃すことになる
【和田垣サイド】
・和田垣が小戸川”も”殺そうとした理由は、三矢ユキ殺人の犯行日に和田垣を乗せたことを警察に話されたら自分が真犯人であることがバレるから
・和田垣は小戸川を包丁で刺し殺してドラレコからSDカードを奪い証拠隠滅を図る安易な考えだったかもしれないが、ドラレコ含めて今はリアルタイムで確認できる防犯カメラは誰でも購入可能。
和田垣はドラレコには録画機能しかないと思い込んでいたので、なりふり構わず犯行に及んだ
・和田垣がタエ子を襲撃。この時の目的はタエ子ではなくおそらく盗聴配信をしていたキリンだったが、お開きした後だったのでこの場にキリンはいない。ここで和田垣は”幸せのボールペン”を回収。
・”幸せのボールペン”に盗聴器が搭載されていたことを知った上で自身でGPSをつけたと仮定する。その上で肌身離さず持っていた理由は、”幸せのボールペン”を持っていれば小戸川も何かしらの手段で自分(和田垣)を見つけると想定しており、最短ルートで小戸川のタクシーを突き止めるため
和田垣は利用しているつもりだったが、利用されていたのは和田垣の方だった
【一連の流れ】
「和田垣さくらが自分の命を狙っている可能性がある」と小戸川が警察に事前に連絡
↓
犯行の様子を録画&中継して決定的証拠を作る
↓
白川がカポエラで小戸川を助ける
↓
和田垣を現行犯逮捕
和田垣は小戸川に対して殺人未遂で確実に逮捕、三矢ユキの殺人についてはルイや山本の証言と合致すれば殺人容疑で逮捕出来る、そして小戸川も失踪事件の容疑が完全に晴れる。
②探偵には誰が何の依頼をしたのか
インタビューは探偵会社の取材だが、何のための取材なのかは描かれてない。
①小戸川の容疑を完全に晴らすため
調査員が「これでタエ子さんに報告出来る」と言ってたので、タエ子が調査を依頼したのは確実っぽい。
女子高生失踪事件(三矢ユキ殺害)に関して、警察が介入出来る範囲では完全に小戸川の容疑が晴れず、小戸川が無関係である証拠の補完としてタエ子ママが依頼したと思う。
タエ子と探偵はもっと決定的な繋がりがありそう。知り合いが探偵とかふわっとした感じではなく、実はタエ子が昼間は探偵会社を経営してるとか、タエ子が以前から調査員のお世話をしているとか…
ただ例のドラレコの録画データさえあれば
①小戸川が事件当日に乗せたのは三矢ではなく和田垣
②和田垣が三矢を殺した真犯人である
この2つが一気に進展するのだけど、大門兄からドブに渡ってからは最終的な行方は知れずのまま。ドブが持ったままかな。
②和田垣さくらの全ての犯行を暴くため
今まで和田垣さくらが行った犯行は3つ。
①三矢ユキ殺害 ←警察は二階堂ルイを容疑者で進めている
②タエ子ママ襲撃 ←目撃者はいないが音声が残っている
③小戸川襲撃 ←現行犯逮捕(多分)
小戸川に電話で「二階堂ルイは殺人をしてないと思う」と言っていたので、タエ子も和田垣が真犯人である証拠を何処かで掴んでいた。
タエ子が「盗聴の受信の仕方が分からなかった」と言ってたのは世代的に本当だろうけど、仮に盗聴器の受信の仕方を知っている人間が近くにいればその人に任せられるので、この電話も盗聴されている可能性を考えて嘘をついたとも考えられる。
つまりタエ子は盗聴の聞き方は分からないが、何かしらの手段で盗聴の中身を聞くことが出来た。もしくは客から聞いたなどでキリンの盗聴配信の存在を知っていたかも知れない。そうでないと「二階堂ルイは殺人をしてないと思う」とはっきり言えないはず。
タエ子はエンドロールで入院しているシーンがあるので、時系列的に和田垣に襲撃された後犯行の瞬間を聞いていたキリンが救急車を呼び、一命を取り留めたのだと思う。
③田中を捕まえるため
拳銃所持+撃ってる+ネットに覆面でも犯行現場がアップされているにも関わらず、何事も無かったかのようにしれっと社会復帰しているのはいくらアニメでも納得いかない。
田中が捕まらない理由は以下3つが考えられる。
小戸川への発砲は①小戸川が事件にはしないと言っている②駐車場で対峙した時に謝罪しているので、カーチェイスと小戸川宅への発砲はチャラ
発砲事件のあったキャバクラは裏社会と密接な関係で、第三者の乱入に関しての事件は表沙汰に出来なかった
撃った相手が指名手配犯のドブだった、ドブは一命を取り留め刑務所行き
単に「誰も事件にしていない」もしくは「警察にとってやましいことがある」からかもしれない。
映画本編で田中が取材されていない理由は、田中”も”ターゲットだからだと思う。
ここで取材をしていた花音と玲奈について考察。
・取材をしていたのは発砲事件のあったキャバクラで働く花音と玲奈。2人はアイドルであり、キャバ嬢であり、探偵でもあると考えられる
・山本が「ミステリーキッスのメンバーを都合の良いように使う」という条件を承諾したのと同じく、マネージャーが違うだけで2人もまた間接的にボスの手下であることが考えられる
・玲奈は以前信者のフリをしてYouTuberのカバと接触したのは、おそらくしほの美人局と同じ要領で「カバに近づけ」と指令があったから
・2人は発砲事件現場に居合わせており、犯人が一向に捕まらないことに不信感を持っていた
【一連の流れ】
タエ子が小戸川の疑惑を晴らすため花音・玲奈の2人に調査依頼
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依頼内容を聞いた時にキャバクラ発砲事件の犯人も関わっている節が見え隠れする
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調査を進めるうちに小戸川と田中の(ほぼ一方的な)関係が浮上
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キャバクラ発砲事件の犯人が田中であることが判明、田中の身元が分かったのはおそらくドブに取材した時
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小戸川とドブは田中の顔しか知らないが、田中の同級生である佐藤に取材を申し込み、3人の田中に関する情報を重ねればある程度の特定は可能
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調査隊は最初から花音・玲奈・佐藤の3人で動いていたのではなく、花音と玲奈の2人が軸で、田中の同級生の佐藤は取材を受けた後に調査側についたと考えられる。理由はおそらく田中の情報だけ圧倒的に少なかったから
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証拠が揃い次第、田中を警察に突き出す予定
拾えるところをまとめるとこんな感じ。普通発砲事件があったらスタッフも怖いし、客もわざわざ事件があった店に行きたくはないから売上も落ちただろうね。
疑問点も残ってて、どうやって佐藤にかぎつけられたのか気になるし、タエ子の正体が解れば花音と玲奈に依頼した経緯もはっきりするんだけどな。
答え合わせ出来るのは先かしら、それとも見落としているだけ?
③実写映像
最後に流れた実写映像は単純に実写でドラマでもやるんじゃないかと。
やるならキャストもだけど、ネット配信なのかテレビでも放送するのかとかも気になる。それによっては内容も大幅に変わるからね。
点と線と新たらな点
書きながら東京湾で若い女性の遺体発見と共通する「チワワちゃん」を思い出した。
満月のホワイトクリスマスに万札振らしながら車ごと海にダイブするシーン、実際見たら怖いけど綺麗だよね。普通お札が降ったらお金目当てに人が集るけど、車が海にダイブする様子を目撃者が呆然と見ているあたり「命より大事なものは無い」ことを表していると思う。
点が線になったと思ったら、また新たに点が出てきてる感じ。そろそろ考察とか感想とか集まってきた頃だろうし漁ってこよ〜。
来週あたり入場特典変わるだろうし、他に発見したらこの仮定も変わると思うのでまた別途書きます。
↓2回目乗車後の考察はこちら