【ライブ】TK from 凛として時雨 「error for 0 vol.5」東京・EX THEATER ROPPONGI

今回対バンがSiMだったのだが仕事の都合上、TKしか間に合わなかったのでTKのみ書き記す。

８時頃六本木の到着だったので、久しぶりに後ろの方で鑑賞。意外と後ろの方が見やすかったりする。

ライブ

1曲目の「will-ill」は、余白を見せるアレンジで披露。1曲目からいきなりライブアレンジとはいくら自主企画とはいえ尖りすぎだろう。

続いて2曲目、まさかの「unravel」。

百戦錬磨の「unravel」だが、あれだけライブでも見ているし何百回聴いているか分からないぐらいに聞き込んでいるにも関わらず、生きている「unravel」はこんなにも切なく美しいのかと肌身で痛感し、命を削っているかのような気迫に涙がボロボロ出た。

3曲目の「Signal」はTKのソロライブに行くのすらかなり久しぶりだったため、最後に聴いたのはいつかも忘れた。TKのギターソロの悲痛さが心にグサグサ来る。

普段曲の繋ぎを気にしたセットリストが多いためか、「コードギアス」「東京喰種」「91days」のアニソンタイアップの並びをライブで見るとは思っていなかった。

この流れだと次は「蝶の飛ぶ水槽」か「katharsis」か？と思いきや「Dramatic Slow Motion」。
まさにドラマティックな演出、5人のシルエットが映画のエンドロールのように見えた。

電流が流れるかと思うぐらいそれぞれの楽器の音がぶつかり合った凛として時雨のセルフカバー「Shandy」、打って変わって穏やかな「copy light」は温かみが増したような気がした。

最初は対バン相手に優しい初心者セトリ…と思ったのも束の間、アルバム曲でありかなり激情的な「凡脳」を投下。ミディアム調の落ち着いた曲調から音の拳の殴り合いとは、落差が激しすぎる。

「P.S. RED I」は凛として時雨でもTKfrom凛として時雨の盛り上がりでもない、骨にあるポップさと濾過し抜かれた毒が混在する独特の熱気を保ったまま、徐々にラスサビにかけて勢いが加速する。

聴いたことのない打ち込み4つ打ちビートに耳を傾ける。よくよく聴くと「katharsis」だ。こんなアレンジする？と脳がバグった。

アンコールではバイオリンとピアノ、TKのシンプルな編成で「tokio」を演奏後、てけふろ常連のベース・一郎さんとドラム・BOBOさんも呼び込み「SiMにモンキーダンスを教わったみたいなので、盛り上がって終わりましょう」と開幕も閉幕も告げれる「Fantastic Magic」で終演。

「先日のオーラルのイベントで死ぬほど叫びすぎて声が枯れている」と言っていたほどお疲れモードだったが、その後続いた「死ぬほど歌い切る」という言葉に「どれだけ不調でも全力で受け止めてやる！」と心した。

ライブと楽曲制作を交互に行い多忙を極めているTKなので、ちゃんと身体を休めて欲しいと切に願う。

旧友・SiMと凛として時雨

TKのライブしか見れていないのにわざわざ書き残そうと思ったのは、以前元[Alexandros]のサトヤスさんとお話を思い出したからだ。

ちょうど2ヶ月ほど前、サトヤスさんが所属しているアパレルグループのポップアップショップに行き、その日はサトヤスさんの在廊日だったので色々お話させてもらった。

案の定バンドの話で盛り上がった時に、サトヤスさんからこんな話をされた。

「シャンペに入る前はFAD(横浜にあるライブハウス)でよくライブをやっていた。その頃は俺が大学生で凛として時雨も駆け出しだったし、SiMのMAHは確かSiMを組む前でまだライブハウスで働いていた時だった」

そんな好きなバンドの人から好きなバンドの話を聞くほどエモーショナルでありがたい話をすぐに昇華出来るはずもなく「それが今やフェス常連でシーンの一線で活躍しているなんて凄いですよね」なんて返した。

そして今日、TKが言葉は違うがこんなMCをした。

「今日のゲスト、SiMでしたね。SiMと僕らは対局しているように見えるけど、ずっと昔から知り合いで、今日のライブは昔の僕のデモみたいにぐちゃぐちゃしてる。時を経て今日このライブが、当時のデモが再現されたように感じてる」

SiMが主催しているフェス「DEAD POP FESTIVAL」で出演バンドの紹介の際、MAHさんが「ライブハウスで働いていた時、凛として時雨を聞いた瞬間ナンジャコリャ！？！と思った」と言ったコメントを残していたのを覚えている。

詳細は言及しなかったが、あの頃聞いた話が本人の口から答え合わせ出来たような気がしたのと、あえて詳細を話さないあたりがらしいなと思った。

チェンソーマンへの伏線

ライブを見ていて全体的にまるで映画のように芸術的だと思ったが、なんだがどうも伏線のような気がしている。

大定番の東京喰種の2曲にコードギアス、91days、映画「スパイダーマン」の主題歌とタイアップ曲ばかりのセトリにピース・又吉作詞監修の「copy light」…

何より「Dramatic Slow Motion」だ。

「まるで映画のワンシーン」

TKのライブでは、ライブの前後に新曲の解禁が多いので新曲をライブで披露することも多いのだが、既に発表されているチェンソーマンのED曲らしき新曲をやらなかった。

おそらくだが、チェンソーマン側からEDを担当する各アーティストに「解禁までライブでもやらないでくれ」と言われているのだと思うと、鉄壁の体勢に余計期待が高まる。

これは「楽しみにしていてくれ」と捉えていいだろうか？

セットリスト

1. will-ill

2. unravel

3. Signal

4. Dramatic Slow Motion

5. Shandy

6. copy light

7. 凡脳

8. P.S RED I

9. katharsis

1. en

2. tokio

3. Fantastic Magic