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【読書】思考の整理学 著:外山滋比古

今まで読んでみたいなあと思い続け、ついに実現しました。

ちくま文庫から出てます!
やっぱり文庫は読みやすい。


引用とそれについて感想や独自の考察を並べていきます。
読書メモを整理したものです。

思考の整理学

思わぬ発想

「熟したテーマは、向こうからやってくる」 フランスの文豪バルザック

p34

確かに通勤中や散歩などの運動中、僕の場合は読書中なんかにもパッと思いつくことがります。違う分野の知識と結びついてアナロジーを思いついたり、新たな疑問が生まれたりします。

セレンディピティ

セレンディピティというのは、思わぬ偶然から出会う幸せのことを指したり、探し物の時に本来の目的ではない発見をすることを意味します。
以下は本書から引用です。

戦後しばらくのころ、アメリカで対潜水艦兵器の開発に力を入れていた。それには、まず、潜水艦の機関音をとらえる優秀な音波探知器をつくる必要があった。 そういう探知器を作ろうとしていろいろ実験していると、潜水艦から出ているのではない音がきこえる。しかも、規則的な音響である。この音源はいったいなにか、ということになって、調べてみると、これが何と、イルカの交信であった。 それまでイルカの”ことば”についてはほとんど何も分かっていなかったのに、これがきっかけになって、一挙に注目をあつめる研究課題としておどり出た。

p66

僕はセレンディピティとまで言えるかは分かりませんが、普段の考え事や学習の時に遭遇します。
ことばの意味や語源を考えたり調べている時に、新たな哲学的な問いに遭遇したり、全く別ジャンルの本を読んでいる時に知識が結びついて一人で興奮したりしてます。(変人)

つんどく法

いわゆる私たちがよく使う語義とは違っていて、関連する資料や書籍を10冊とか集めてから一気に読むという方法を指しています。
最初の一冊は時間がかかりますが、次第にどの分野での重要なことや通じている部分の理解が深まっていくので、後半は読書スピードも上がり、記憶にも定着しやすいということだそうです。

やってみたいけど、集めるのにどれだけの時間とお金がかかるんだろうか。。。と想像して絶句しました
読み切れる自信もないので。。(泣)

整理

これまでの教育では、人間の頭脳を、倉庫のようなものだと見てきた。知識をどんどん蓄積する。倉庫は大きければ大きいほどよろしい。中にたくさんのものが詰まっていればいるほど結構だとなる。 
~中略~ 
コンピューターの出現、普及にともなって、人間の頭を倉庫として使うことに、疑問がわいてきた。
~中略~
人間の頭はこれからも、一部は倉庫の役をはたし続けなくてはならないだろうが、それだけではいけない。新しいことを考え出す工場でなくてはならない。

p111

だいいち、工場にやたらなものが入っていては作業能率が悪い。よけいなものは処分して広々としてスペースをとる必要がある。それかと言って、すべてのものをすててしまっては仕事にならない。整理が大事になる。

p112

なんとなくだけど、以前からできていたようにも思える。
期間限定商品の情報は終わった途端きれいさっぱり忘れちゃってたし、自分の体験したこともデティールを完全に忘れている時もあるし。これはたまに痛い目にあうから気を付けてください(笑)

引用

著者の主張として、
メモを取るとメモを取ったことに満足してしまってすぐに忘れてしまう。
だそうです。

確かに自分の記憶を思い返してみると、偉い人の講話みたいなのはメモはたくさんして記憶には何も残ってない、ということがよくあった。というよりも常だった。

学校の授業中に取る板書はまさに良い例だと個人的には思います。
家に帰ったら宿題。それも教科書見て解いて終わり。
テスト週間。問題集解いて解説見て終わり。
結果論だけど、あまり必要性感じないと思います。
実際に英単語は基本的に書かずに覚えていたのである程度の実証はできたかと思います。

ゴシップ (お気に入り)

「ゴシップからはネズミ一匹でない、害あって益なしである」

p158

ただただ好きな一文。言い過ぎくらいがちょうどいい(笑)
でも本質。
ファミレスやカフェで隣の席から聞こえてくるだけで嗚咽が。。。

総評

今までの教育では記憶こそが正義である、そして知識の量だけがその人の力量である、そんな価値観で育ってきましたが、どこか感じていた違和感を払拭してくれるそんな一冊でした。

大人になってから学習の面白さを知ったし、考えることに意義を見つけられた私ですが、これから社会に出る人、高校生や大学生にもお勧めできます。
(ベストセラーなので今更ですが・・・)

サクッと読めますし文庫なのでほぼ質量ゼロなので読んでみてはどうでしょうか;)

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