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生き残るのは結局「ファン」がいる店【MEMO】

珈琲に関するニュース/情報をインプットし、
噛み砕いてアウトプットするマガジン。
「COFFEE_MEMO_365」のマガジン記事です。

2020.7.16

【今回の引用記事】

【概要】
株式会社 Career Meetは2020年7月3日、 昨今の新型コロナウィルスの影響で支障が出ている店舗などに向けて新しい広告サービスをリリースした。
今後の集客広告は、知らない人の口コミ、不透明な導入経路のばら撒き広告ではなく、様々な信用 ・信頼情報を元に来店する方が増えてくる傾向になっていく。
例えばコロナ対策をしているのか、テイクアウトはあるのか、どんな席なのかなど、リアルで身近な口コミがとても重要な来店動機に繋がっていく事が起きている。
そうした中で、既存顧客から紹介して頂ける方法、お店のターゲットになり得る方への直接的な来店促進・紹介促進・口コミ拡散が、最短で最高の売上獲得に繋がると考えており、
新機能として100%来店型・成功報酬型の信用集客ツールをリリースした。

Gifu to you は、
「サービス業の店舗」「応援したい店舗があるお客様」のそれぞれに、以下のようなソリューションを提供する。

サービス業の加盟店舗側
・ターゲット顧客に来店動機に直結するギフトをプレゼント出来る機能
・クラウドファンディング同様の短期的な事前売上の確保出来る機能
・信用度が高い既存顧客から新規の顧客紹介・新規売上の確保できる機能
サービスユーザー側
・インフルエンサー・ターゲット客層・常連さんなどにお店からギフトプレゼントがもらえる
・Afterコロナでも必ず残って欲しいお店を事前決済で応援
・友達に紹介したい好きなお店をギフトでいつもと違うプレゼント

Gifu to you が目指すものは、
100%来店型の広告により、ばら撒き・効果の見えない広告費の削減を行いながら、お店にあったターゲット顧客の拡充により、WithコロナからAfterコロナ、そして収束時に良いお店が残って頂けるよう、サービス業の雇用の安定化のサポートとなること。
そしてギフトサービスとして、物から体験をプレゼントできるマーケットを作り、今後もあり得る新型ウィルス発生の際にも支援出来るサービスを構築していく。
今後はふるさと納税のような商品だけではなく、地元のサービス業の店舗のギフトを地元の両親や友達にプレゼントする事で納税を可能に出来るような展開を考えている。

【MEMO】
コロナの影響で提供の機会が失われ、近々の売上の目処が立たなくなってしまった店の商品やサービスを、利用者が先に支払うことで、当面のキャッシュを入れる購買方法。
一部の店舗で行われて話題にもなりましたね。
さらには、その際に得た商品・サービスを提供してもらえる権利を他人に贈る、ギフトとしての機能も生まれました。

往来の支払いに、
・店への支援
・他人へのギフト

という新しい価値を生んだ仕組み。

今回の引用記事は、
この価値にさらに集客・来店利用促進を付加した仕組みのサービス化です。

たしかに、

店の商品・サービスをギフトとして扱ってもらえれば時差(支払いと提供のタイムラグ)が生まれて、すぐに需要が無くても事前にキャッシュが入る。
ギフトを受け取った人はほぼ100%来店、しかも好意を持った来店のため、事前の満足度が高く、店に対して高評価を持ってもらいやすい。

といったメリットはあります。

でもこのメリットを最大限に活かすためには、
店側が設計しておくべきポイントがいくつかあります。
ここを無視してしまうと、そもそもこの仕組みの効果は活かせません。

それは、

・ファンが居ること
・ギフトに出来る商品を作っておくこと
・普段のサービス水準が高いこと

まず、
前提として事前購入する人の目的は、
その店の「商品」を買うためではなく「支援」するためにお金を出します。

人が「支援」するのはなぜか。
それは「応援」したいから、つまり「ファン」だからです。

そもそも「ファン」でない店を支援しようとはあまり思わないですね。
ましてやギフトに使うものなので、相手を想うなら自分が良いと思ったものしか対象になりません。
つまり、普段の購買よりむしろハードルは高いといえます。
なので、店としては普段から「ファン」が居る店である必要があります。

次に、
こういった仕組みが生まれてくることでまず考える必要があるのは、これを取り入れたいと考える店は自店だけではない、つまり「競合」がいることです。
ギフトとして選んでもらうための付加価値。
贈り手の想いを反映させる仕掛けや、普段から通常商品とは別にギフトに特化したパッケージやコンセプトの商品を並べて、
そこに行けばギフトがあるという状態を普段からお客さんに刷り込んでおくのも1つの手段です。

最後に、
サービス水準が高い、これも前提の話ですね。
むしろ、この仕組みで商品やサービスを体験するのは買い手ではなくギフトの受け取り手です。
万が一、受けた商品やサービスに不満を感じられるようなことがあれば、その人だけでなく贈り手、つまり「ファン」であった顧客も同時に失ってしまう可能性があります。
チャンスは同時にリスクも孕みます。
せっかくの顧客を失うことは避けたいですね。

こんな感じで、
新しい仕組みや価値のカタチは次々に生まれても、結局のところ生き残るのは普段から愚直に「ファン」作りをしているお店です。

実際に、このコロナ禍でも生き残る店とそうでない店の線引きは残酷なくらいはっきりしていたと思います。

じゃあ珈琲店はというと、

在宅率が上がり、幸いにも自宅で珈琲を楽しむ層が増えたこともあり、自分で消費する以外に、人へのギフトとして珈琲を贈る流れはむしろ追い風となっています。
しかし喫茶のみ、物販なしというお店は黄信号かもしれません。

商品作りとして出来ることは、
・ギフト用パッケージを用意する
・自宅コーヒーを始める人向けの器具セットを設定して囲い込む
・自宅コーヒーを楽しむ付加価値として簡単なコミュニティを運営してみる

なんていう手もあるかもしれません。

と、

ここまで述べてきましたが、
この仕組みの元はやはり危機に直面したときにお店を救いたいという気持ちから生まれたもの。

やはり、これを戦略的に集客や販促に使うというよりは、普段から愚直にしっかり「ファン」が出来る店づくりをして、ホントに困った時に大きな声で「HELP!」が言えるくらいが良いと思います。笑

最後に超個人的な意見でした。



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