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私は見た目で分からない

「私ダメだ!結婚向いてなかった~」

わりかし仲の良い主婦で友達のMさんが
唐突に言い放った。

ええ?えええ?

優しい旦那さんと可愛い子供がいて
仕事も私生活も楽しそうなMさんが
何をいきなり言い出すのだ!?

「いやー私はね、こういっちゃなんだけど
私のやることを邪魔してほしくないのよ。
それがたとえ旦那でも、子供でも」

聞くとどうやらMさんは
食べ物は、自分の好物が食べたいし
買い物も、自分のプラン通りに買いたい
つまり自分ひとりで好きにやらせてほしいと。

独身時代は自分中心で生きてきたMさん。
でも、結婚してからはそれができない。
どうしても子供優先になってしまうので
自分の本心と『母親』の役割の板挟みに
悩んでいると。
だから私は結婚は向いていないんだと。

あ、Mさんの名誉のためにも補足するけど
Mさんは私から見て、とっても良い母親。
旦那さんにも、子供にも向き合ってる。
仕事だってバリバリこなしている。
だから家庭も仕事も順風満帆。
今の生活が嫌だとか離婚したいとかじゃなく
ただ、そういう思いを持っているってこと。
つまり、ささやかな愚痴みたいなものです。

普段飄々としてカッコよく生きている
(ように私は見える)Mさんが
まさかこんなことを考えていたなんて。
正直驚いてしまった。

・・・でもそうか。
結婚して、子を産んだからといって
女性のすべてがいきなり
『母親』マインド全開に
なれるとは限らないかぁ。

私は男性なので、女性の気持ちはまず分からない。
でも

「はい、子供産んだよね。今から“母親”ね。
“女性”に戻るなんてだめだよ~」

仮にこんなことを世間から言われたとして
全ての女性が納得しないだろうというのは分かる。

きっとMさんも『100%母親』でいることに
納得できない気持ちがあったのではないか。

うーん、でもそうかあ。
人の内面というか、気持ちっていうのは
目に見える部分だけじゃないというのは
知識としては分かっていたつもりだけど
全然分かってなかったんだなぁ・・・私。

Mさんの話を聞いて改めて気付かされました。

カッコよく生きてるように見える人でも
ちょっと内面を覗けば悩みが渦巻いている。
それは全然とくべつなことなんかじゃないと。

私は人が分からない。
他人のことを見た目でなんて分からない。
でも、分かりたいと思う。

察する能力も気遣い能力も低い私だけど
話を聞くのは、かろうじてできるつもり。

だから「この人のこと知りたい!」
ってなったら、たくさん話をする。

それが私の導き出した私の正解ルート。
少なくとも、私の周りの人とは
それで上手くやれるようになったから。


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