推しの髪型

髪型には個性が出る。

私が女性に求める髪型は「似合っていること」
つまり個人によって求める髪型が異なる。

ちなみにウチの嫁様の現在の髪型は
肩まであるセミロング。やや明るめの茶。
ハッキリ言ってめちゃくちゃ似合っている。
モフモフの猫みたいで。

そんな嫁様の髪型だが
一時期ショートボブくらいに短くなったとき
（うーむ、なんか違う）と大変に不満だった。
「伸ばしてくれ」と呪詛のように言い続けて
なんとか伸ばしてくれた。言ってみるもんだ。

・・・

そんな私の（自分の）髪型は短髪が大好きだ。

十八歳の頃にヘアワックスを覚えて以来
しばらくずっと短めの髪を尖らせていた。
友人からはスーパーサイヤ人と呼ばれた。

やがて嫁様と出会ってからも短髪を通していたが
ある日、衝撃の事実を打ち明けられる。

「わたし、長めの髪が好きなんだよね。
だから夫くん、髪、伸ばしてよ」

なん・・・だと・・・？
長い髪だと？マジで言ってるのか。
女性はみんな短髪が好きなんじゃなかったのか？
（大いなる偏見）

話を聞いてみるとどうやら本当に
ウチの嫁様は短髪が嫌いなようだ。
（嫌いというか、長い方が好きらしいが）

そうか、いままで私は苦手な髪型だったのか。
すまない。でも言ってくれて良かった。
じゃあ、伸ばしてみよう！
・・・と思い立ったのが去年のこと。

伸ばしてみて分かったことがある。
自分の長い髪はイライラする。

マジかっていうくらいにうっとおしい。
襟足が首にかかったときの嫌ぁな感じは
ちょっと筆舌に尽くしがたい。

毛量が多くなるとワックスも難しくなるし
まとまらないし、重いし、カットが面倒だ。
いっそのこと坊主頭にしたくなってしまう。

うーむ、でも
長い髪を嫁様に求めているのは私だ。
自分も求めに応じないとフェアじゃない。

そんなこんなで行きつけの美容師さんと
あーでもないこーでもないと相談しながら
一年ほど経ったある日。
新しい髪型ツーブロックを決意したのだ。

ツーブロックとは
トップの髪の長さを維持しつつ
バリカンでサイドをツルツルに刈り取るもの。

出来上がった髪型を見た美容師さん（女性）が
こう言ったのは生涯忘れないだろう。

「わお！リヴァイ兵長ですね！」

リヴァイ兵長とは人気漫画『進撃の巨人』の
大人気キャラクターである。
画像検索すれば雨後の筍のようにでてくる筈。
ちなみに美容師さん（女性）はアニオタであり
レイヤーでもある非常に面白い人だ。

ちなみに嫁様からは好評だった。良かった。