エッセイ読んでみた【1冊目】
1.はじめに
年始早々、あれやるこれやると大風呂敷広げたものの、今となっては自分の広げた風呂敷の大きさに頭を抱える今日この頃。
さて、今こそ「逆流」だ。同郷のロックスター「剛 長渕」のあの名曲。そう、だって僕は僕を失うために生きてきたんじゃない。
とは言ったものの、早くも気持ちは垂れている。モチベーションの維持は難しい。
なんやかんや言うとりますが、年間50冊読破の記念すべき1冊目はエッセイにしてみた。自己啓発本ばかり読んでても頭が硬くなってハゲるだけだし、とりかかりやすいし、何よりも好きな作家の村上龍さんだから。
刺さった言葉なり、ここにメモしておこう。
2.村上 龍
早速、本の内容から逃げて作者について。。村上龍さんを意識するようになったのは、中学校の頃。
丁度、「交響詩篇エウレカセブン」というアニメが放映されてて、どハマりしていた。
特に登場人物のアネモネというヒロインにゾッコンで、色々調べるうちにモチーフが村上龍という作家の小説「コインロッカー•ベイビーズ」にちなんでいるということが分かり、そこから村上龍さんの本を読むようになった。
自分が評するのもおこがましいが、村上龍作品は、リアリティに富んでいると思う。何というか、自分がサラリーマン生活では絶対に経験しないであろうニッチな世界の描写が生々しく、何故か容易に想像できてしまう。
自身で経験したか、相当な取材をしないとこんなこと書けないだろう。と、常々思っている。
また、作品に出てくる登場人物は、決して世間一般で言う「良い人」ではないのだが、どこかロックテイストで力強さを感じる。
そんな小説をワクワク、ゾクゾクしながら見るのが好きで、村上龍さんの作品を読み漁っている。
長くなってしまったのでエッセイの感想をば。。
3.感想
題名は「星に願いを、いつでも夢を」となっているが、内容というと、本のフォント程ファンタジーに富んではいない。あるのはやはりリアリティだ。
一番印象的だったのは、「03ずっと不安と共に生きてきた」と言う項目である。この項目では、給与生活者と、個人生活者のメンタリティーの違いについて言及していた。
個人生活者(作家等)は、誰も助けてはくれないので、常に不安と危機感が隣り合わせであり、そこがベースで物事を考えることから、安定的な給与生活者と考えが根本的に違うと。そして、現実は不安に満ちているため、考えのベースに不安と危機感があるからこそ現実を見る目に曇りがないと。
まさにその通りだと思った。サラリーマンの自分は、出勤してさえいれば、のらりくらり仕事しようとも、よっぽど逮捕等されない限りはクビにはならない。多少の不安はあるが、まるで危機感がないのだ。
この本を読んだからこそ、危機感を覚える。自分は目が曇っていて、都合の良い空想にふけっていたんだなと。
さらに、リアリストの村上龍氏曰く、居酒屋で大声で話し、笑い合っている人々はとても不安そうに見えるらしい。
なるほど、なかなか、思い当たる節が多く、よく考えると納得することが多い。
題名ほど夢はないけれども、村上龍氏の視点で色々な事象を捉えて、リアリティをもって言語化されている。読むとハッとすることも多いが、なかなか興味深いエッセイとなっている。
項目の最後はこう締め括られている。。。
「不安」を覆い隠すように生きてきた者は、おそらく現実を見る目が曇っている。
以 上
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