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先週は夏で今週は秋めいてきて・誰かを失うということ

先週、私はファンヒーターを手放すことができた
正直、お家から去ってしまう日の前日
アンニュイな気持ちになった
だって、初めての雪国の厳しい冬を一緒に乗り越えたのだ

ストーブを買うのも初めて
灯油を頼むのも初めて

そんな初めてがきつい私に、彼はいつも寄り添ってくれていたのだ
私が無知だったばかりに傾けてしまい
使い切らなかった灯油がこぼれてしまった
まさか傾けただけで灯油がこぼれるなんて
そんな構造ありかーいって気持ちも正直あったけれど
それはいっても仕方がない

お客様センターに問い合わせてやっぱり使えそうと思ったけど、汚染恐怖もでて、やはり買いなすことにした

ものすごく運よく、新しいストーブが超特急で届いたので段ボールや資材を使うことができ、やりとりが丁寧なかたのお家にいった

最後にストーブをなでなでして、そばにいてくれてありがとうと告げた

やりなれないことをしたので疲れたけれど
でもなんとかいろいろ、もろもろやることができた

そういえば、わたしはkemioさんという人を知らなかったのだけれど,ちょっとまえにYouTubeで知ってから
彼が親代わり、いや親であるおばあちゃんに好物の春巻きを教えてもらう動画をみたりしていた

そのおじいちゃんが亡くなったと昨日しった

彼の動画の初めでそれが文字で伝えられた
正直、すべてを読むには時間が足りないくらいに超特急にその画面は流れていき、彼の、ワールドワイドな日常がすぐに始まった

でも私はまことに勝手ながら、彼の哀しみについて思ってしまった

たぶん、覚悟というものはしたくなくても、心の数%ではしていたのではないかと思う
それでもそれはやってきて、彼の大切な人はこの世界からいなくなってしまった

それは心が砂の山であったならば、とつぜん、ものすごい勢いでごっそりと砂が抉り取られていくようなものだろう

それでも彼は世界を股にかけて、自分がやりたいことを行っている
好きなものに夢中で、友達と言葉を交わしている

そしておばあさまにやりたいことがあったらリストにして、絶対させるって言ったらしい

大切な人がいなくなってしまうと、心の大切な柔らかくて、優しくて、そして芯となっていく部分を喪失してしまう

私のようにそれが大切だとわかっていたけれど、自分が生きる上での血肉のような、骨組みになっていたことに数年単位で気づかない人もいるかと思う

そして気づいた時には、沼にはまるように人生が立ち行かなくなることもあるだろう

でも彼は人生にfunをもたらすことを選んだ

きっと、でも、時には泣いてしまうこともあるだろう

でも、それでも、どんなものでもいい

好きなアーティストを思うのでも旅行をするのでもなんでもいいのだ

自分が楽しい!ということを、もっと大人になれ!とかおばあさんのそばにいなくていいのか!とかいろんな声もあるかもしれないし、自分自身も揺らぐときもあるかと思う

それでも、好きなことをする


私はその姿を見せられたことに、とても心を打たれた

鬱になってからいろんなことが無意味に思えた

本を読むのもその世界に没頭するのも
映画を見るものドラマをみるのも

ときには編み物をするのでさえ、買った方が安いしというような気持ちにすらなったりするほど

いろんなことがどうでもいいような、funな気持ちになれないことばかりだった


だから私は彼が韓流のアイドルちゃんで踊って、友達と旅行して、ちょっとおバカさん(良い意味で)なことをしても、それが人生で、キャンディボックスみたいに楽しいことを詰め込んで生きようとする姿に、心が少し打たれたのだ


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