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(第8回)プログラミング教育業界の最大の課題 『退会問題』

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市場の“伸び悩み”の原因のひとつ「退会」問題

これまで本コラムではプログラミング教育市場の成長性・ポテンシャルなど、プラスの面について主にスポットをあててきました。

しかし、業界内には市場の成長を鈍化させる「マイナス」の面(課題など)もあります。

今回はそのマイナス面の中で、最も業界として大きな課題となっている「退会」問題についてふれたいと思います。

一般的に教育業界の市場規模や参加率を算出する時には、「現在、通学している人数」「業界に売上が上がっている市場」を計算します。

つまり「既に卒業した、退会した『元』生徒」の人数はカウントしませんし、売上も発生していないため市場規模にも影響しません。
(時々、市場規模や生徒数規模を大きく見せるために「累計・累積の受講者数」を市場規模データとして発表するケースもありますが、これは本来の市場規模とは異なる意味になってしまうのです)

現在、プログラミング教育市場は急成長をしており、消費者の認知度も上がっているため、「入会者数」は業界全体として右肩上がりです。

しかし、一方で1年前、2年目から入会した生徒が、徐々に退会してしまっているケースも多いため、個々の教室の生徒数は「横這い」になっていることも少なくありません。

現在このような状況になっているプログラミング教室は全国で急速に増えています。生徒の「退会」は年度の切り替わり時期である「1月~4月」になると急速に増えていきます。

2019年の春期はプログラミング教育業界として「入会者が多い」時期であると同時に、「過去最大の退会者数が発生する」時期であることも事実なのです。

プログラミング教育業界は、まだまだ市場が未成熟であるため、この「退会」問題については、まだまだ対応が未成熟です。この問題を改善しなければ、健全な業界の成長が難しくなってしまいます。

教育業界における「退会」の考え方

このプログラミング教育業界の「退会」問題を考える前に、教育業界における「退会」の一般的な考え方をお伝えしたいと思います。

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