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“町の教育”が地域の誇りになる社会を目指し、大人と子どもの「コエル」をつくる株式会社コエルワの挑戦

あしたの寺子屋は「世界を拡げる一歩目を、どこからでも」をビジョンに掲げ、子どもたちが生まれた場所や環境に関係なく世界を拡げられる学びの場や機会の運営を行う企業です。地域の放課後の居場所・公設塾等の開業・運営支援を行う「寺子屋パートナー事業」、地方自治体での長期休暇中の学びの場を企画設計・運営する「まなび場事業」、高校生を対象にした「イベント甲子園」を主幹事業として展開し、これまでに11の地方自治体、2000人を超える子どもたちと関わってきました。

そんな株式会社あしたの寺子屋は2024年4月1日をもって、社名を「株式会社コエルワ」(英語表記:coeruwa Inc)に変更しました。同時に、これまで複数の主幹事業をともに牽引してきた株式会社ヒナタヤ代表取締役社長の阿曽沼 陽登(あそぬま きよと)が株式会社コエルワの代表取締役(共同代表 CEO)に就任、旧 株式会社あしたの寺子屋の代表取締役 嶋本 勇介(しまもと ゆうすけ)が取締役(共同代表 COO)に就任しました。

創業より掲げてきた「世界を拡げる一歩目をどこからでも」というビジョンを事業で実現すべく、地域とともに伴走する教育事業をより強力な組織体制により推進していきます。本記事では、社名変更と体制変更の背景にあるこれまでの2者の歩みやこれから目指す世界について、お届けします。


創業時からともに関わり、自治体の教育を考える「まなび場事業」を共同で立ち上げ

嶋本と新代表・阿曽沼の出会いは、あしたの寺子屋がまだ世に誕生する前のこと。とある教育事業に互いにスタッフとして関わる中で出会いました。その後、嶋本は前職であるコンサル会社を辞め、あしたの寺子屋を立ち上げることに。その頃から阿曽沼に事業の相談をするようになりました。

「きよとくんと初めて会ったのは、高校生や大学生が自分のキャリアを考える、2泊3日のイベントでした。驚いたのは、きよとくんのところに夜な夜な悩み相談にやってくる高校生の行列ができていたこと。これはただのキャリア相談ではないなと思って、彼の行う事業や場づくりに強い確信を抱きました。あしたの寺子屋の立ち上げ前から相談させてもらっているので、事実上の創業メンバーの一人だと思っています。」(嶋本)

創業以来、阿曽沼およびヒナタヤは主幹事業のコンテンツ設計や企画運営を一手に担い、嶋本と両輪で事業を進めてきました。中でも2021年に北海道上士幌町から始まったまなび場事業においては、ゼロから2者で企画を考え、町へ提案。そこから4年間で11自治体が参画する事業に成長するまで、ともに歩んできました。

「僕たちが大事にしているのは、事業をきちんと形にすること。理想を掲げるだけでなく、事業計画をきちんと作り、形にすることで、継続して事業を行うことができます。教育事業は、コンテンツさえよければ子どもたちが参加してくれる、という結果には必ずしもなりません。学校に足を運んで、校門前でチラシを配ったり、町に繰り出して子どもたちと直接話をしたり、そういう地道な積み重ねがなければ子どもたちには届きません。そうしたことを前提としつつ、当然コンテンツ自体の質を高めることにも徹底的にこだわっています。こうしたことを嶋本くんと、時に寝食をともにし、数えきれないほど話し合いを重ね、事業を形にする中で、徐々に信頼関係が強くなっていきました。」(阿曽沼)

「こえる」を生み出し「輪」を拡げる 新社名「コエルワ」に込めた想い

2023年9月、あしたの寺子屋は新たな事業として、地域の子どもたちの夢やチャレンジの一歩目を応援する「きっかけプロジェクト」をスタート。クラウドファンディングを通して支援者を募り、地方の子どもの越境・挑戦を応援する返済不要の「きっかけ奨学金」制度を設けました。2024年3月現在、継続支援者の数は200人を突破しています。

このプロジェクトには、子どもの挑戦を後押しすると同時に、教育に関心のある大人たちに地域の子どもたちへの「関わりしろ」を作りたい、という想いがあります。子どもも大人も関係なく、地域やハードルを超えるサポートをするプラットフォームになることが、きっかけプロジェクトの狙いの一つです。

「地方の過疎化が進むにつれ、自治体によって抱える課題はさまざまになり、それに対する教育のあり方も一律ではなくなってきました。その地域にとってあるべき教育の形を考えるには、その地域の社会、あるべき姿を考えることが不可欠です。教育に止まらず、より社会を作るような取り組みが必要だと、次第に考えるようになりました。僕たち自身が、『教育』という枠組みを超える必要が出てきたのです。」(阿曽沼)

新社名である「コエルワ」は、「超える」と「輪」という単語から成り立っています。「超える」とは物理的な移動だけでなく、考え方のアップデートや、昨日の自分を超えること、といったさまざまな「超える」の後押しをしたいという想いが込められています。

「これまで寺子屋事業やまなび場事業を通して、子どもたちに新たな可能性を知ってもらい、自分のやりたいことや好きなことを基軸に町の外に一歩踏み出してもらう、「コエル経験」を生み出してきました。今後は子どもたちのみならず、関わる大人や大学生にとっても自らを「コエル経験」をもっと創出してきています。そして、ぼくたち自身も今の在り方や教育事業を超えて、地域や社会と関わっていきたい。既存の社会そのもののあり方を超えていきたい。そんな想いを込めて、コエルを社名にしました。」(阿曽沼)

「輪」には二つの意味があります。一つ目は「コエル経験」をともにするチームのこと。私たちに関わってくださる自治体、パートナー、企業関係者、応援してくれる方々、学生の皆さんとの輪が広がることで、一人では超えられない壁も超えられるようになります。二つ目は、世界を拡げるためにコエル対象である自分の「町」や「日常」のこと。こうした輪を超える経験を生み出したいという想いが込められています。

新しいロゴにはいろいろな意味を込めていますが、中でも左上にある小さな泡は、私たちに関わる『人』や『地域』を表しています。時には各地域のパートナーが集まることで大きな輪となり、大きな目標に向かうことができる。時にはそれぞれが独立して活動することもある。そして子どもたちも一つの輪の中に留まるだけではなく、外の世界に飛び出したり、必要な時には集まって輪となり挑戦をする。勇気を持って、自由に、軽やかに境界線を飛び越えながら、自然と輪が拡がっていく、そんな思いを表現したのがこのロゴです。」(阿曽沼)

変わるものと変わらないもの。いつか、誇りに思ってもらえるような事業へ

社名と体制変更により、新しく生まれ変わるコエルワ。かといって、これまでと事業内容が大きく変わるわけではありません。まずは従来から行ってきた教育事業を柱に、その先の社会を見据え、徐々に取り組みの幅を広げていきます。

「北海道の比布町(ぴっぷちょう)の役場の方と話をしていて印象に残っていることがあります。それは、いつか子どもたちが町外に出た時、比布町出身であることを誇りに思える町にしたい、と言っていたこと。僕らも今、同じ思いで事業をしています。いつか僕たちの事業が、例えば修学旅行のようにどこでも当たり前の事業になったら、創業当初、まだ何の実績もなかった僕たちを信じて託してくれた人たちが、あの事業をずっと応援してきたのはうちの町だ、と誇りに思ってもらえる。そんな恩返しができるよう、これから先、事業と会社を育てていきたいと思っています。」(阿曽沼)

これまでそれぞれ活動していた2者が一つになることで、両者の強みが掛け合わされ、より一層シナジーが生み出されることが期待されます。

「これまでは外部パートナーとして協力してもらっていたヒナタヤのデザインスキルや現場の企画運営力、マネジメントスキルなどが1つのチームになることで、コエルワはますますパワーアップしてさまざまな越境を実現できるようになります。さらに、今までは少し距離のあった、ヒナタヤの周囲にいる人たちにも僕たちの事業を届けられれば、さらに多くの人たちと一緒に事業と会社を育てていけると考えています。」(嶋本)

最後に、嶋本・阿曽沼それぞれの今後への意気込みを語ってもらいました。

株式会社コエルワ取締役(共同代表 COO)嶋本 勇介

「コエルワになっても、これまであしたの寺子屋が大事にしてきた思いや事業は変わらずに受け継いでいきます。一方でリソースもスキルも2倍になるからこそ、できること・やれることがたくさん増えます。これまで以上にスピードを上げ、これまではやりたくてもできなかった事業を形にもすることにコミットしたい。これからも、応援いただければ嬉しいです。」(嶋本)

株式会社コエルワの代表取締役(共同代表 CEO) 阿曽沼 陽登

「これまでもずっと意気込んで活動してきたので、改めて大きく意気込むことはありません。これまでやってきたことを、これからも粛々とやっていきたい、という気持ちです。一方でこれまでにもらってきたものがたくさんあるので、これからは恩返しができるよう、一つ一つを形にしていきたい。そのためにこれからも泥臭く、嶋本くんと一緒に西へ東へ町に足を運んで、町の人たちと交わっていきたい。どれだけ事業や会社が大きくなっても、それだけは変わらずに続けていきたいです。」(阿曽沼)

コエルワとして、あしたの寺子屋の事業をさらにパワーアップさせて、各地へ届け切るための新たな挑戦が始まります。

◼︎株式会社コエルワ 公式ホームページ

◼︎社名変更に関するプレスリリース

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