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洗濯物に日が輝く

午後3時。洗濯物に午後の日差しが明るく輝く。

私のこころと、同じだ。

ただ、洗濯物を見ているだけの至福の時間。

あの時と、同じだ。

あの時、それは、若かりし頃、初めての一人暮らしでベランダに干した洗濯ものが日に輝くのを見ていた。

今日はこれから、自由だ。なにをして遊ぼうか。誰に電話しようか。どこに行こうか。どんな番組をみようか。何を食べようか。と、思いを巡らす。誰にも、何にも邪魔されない。至福のひととき。

更に昔。まだ小学生だったころ。学校から帰ってから、宿題を終えて。。そして、近所の友達と遊ぶ。子供たちに降り注ぐ、午後のひざし。ボール遊びのボールに降り注ぐ、午後の暖かい、ひざし。やっと乗れるようになって、そこらじゅうを乗り回していた自転車に降り注ぐ、太陽のぬくもり。かくれんぼ。おにごっこ。ああ。楽しかったなあ。あの頃。。自由だった。

あの時と同じような、午後3時のひざしが、洗濯物に降り注いでいるのを見ているだけで、実感する。ああ。平和だ。今は、平和だ。これだ。これなんだ。私が求めて生きてきたもの。再び手に入れた。自由だ。

長い長い時を経て、。。

勉強をして、競争して、仕事をして、競争して、結婚して、子供が生まれ、周囲の期待に添えるように仕事も育児も家事も、がんばって。がんばって。がんばって。。人生のレールに乗って生きてきた。

でも、もう、いいんだ。大丈夫なんだ。自分は、別にいいんだ。生き物だから。ただ、生きているのだから。

もう、周囲にまどわされなくていい歳になった。

明るい3時のひざしをただただぼーっと眺めていても、誰からも非難されない。。

なんていう至福のひととき。太陽のひかりにつつまれる。洗濯物と、わたし。


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