脱・経営者のポエム。バリューをアップデートしたらシンプルになった話
みなさん、こんにちは。みんなのコードCOOの杉之原です。みんなのコードでは業務執行責任を担っています。私はこれまで、ITベンチャー企業で組織の成長フェーズを経験してきました。
みんなのコードは、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」というビジョンを掲げ、公教育におけるテクノロジー教育の普及活動を推進するため、主に教員養成事業、教材開発事業、子どもの居場所事業、政策提言を行っています。
今年、行動指針であるバリューをアップデートしました。
みんなのコードの新しいバリューはこちらです!
今回は、なぜバリューをアップデートしたか、どんなプロセスで取り組んだか、そしてプロジェクトの中で気づいたことについて書きたいと思います。
20人の壁、あっという間に50人に迫る
私は、2020年にみんなのコードに参画しました。創業から5年を迎え、組織規模は20人を越えようとしていた頃でした。
その後、3年間で50人に到達しようとしていく中で、ふと気づいたことがあります。それは、社内の議論の中で、ミッション・ビジョンはよく話されているのに、バリューが引用されることがあまりないということでした。
少数精鋭で創業フェーズを駆け抜けてきた時期から、人数も事業面も拡大してきた中で、組織のフェーズとバリューが合わなくなってきているのではないかと感じました。
こうして、軽い気持ちで、「バリューをアップデートする」という扉を開くことになりました。
バリューアップデートの道のり
みんなのコードは、年3回、全国から全社員が集まるオフサイトを開催しています。バリューアップデートの議論は、全社オフサイトの場を活用しながら進めることにしました。
そのため、約1年半を費やすことになり、いま振り返ると、気軽に開くには壮大な扉でした。
プロジェクトは、私と、未来の学び探究部の釜野が中心となって推進しました。
Step1. バリューとは何か
まずは、私たちにとってバリューとは何か。そんな抽象的な話から始めました。
Step2. 観点の洗い出し
2回目の全社オフサイトでは、「働くよろこびは何か」「何を大切にしたいか」について部門ごとに議論しました。
Step3. 絞り込み&深める
ここまでに出てきたたくさんの観点を、私と釜野でグルーピングし、以下の5つのカテゴリーに絞り込みました。
3回目の全社オフサイトでは、興味のあるカテゴリーを選択してもらい、バリューにどんな要素を入れたらよいか、議論してもらいました。
Step4. バリューの作成
本当に大変だったのは、ここからでした。
バリューをアップデートするための要素は十分すぎるくらい出ているわけで、それらを眺めながら、いったいどのような表現に仕上げていくか。盛大に迷子になりながら、そして、多くのメンバーに関わってもらいながら議論を重ねました。
こうして新たに生まれたバリューがこの4つです。
特に、多様性をテーマにした「気づきに行こう」は、気を抜くとマジョリティ目線の表現になってしまったり、「気づかないことに気づこう」「いや、気づかないことにすら気づいていないのだから、気づけない」といった議論が繰り返され、最後まで表現が固まりませんでした。
新たなバリューは、
「子どもから始めよう」受益者目線で、
「気づきに行こう」ダイバーシティの観点で、
「やってみよう」関わる人の挑戦を応援する観点で、
多くに届ける「しくみをつくろう」
そのようにして「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」というビジョンを実現しようという思いがこめられています。
発見したこと
バリューをアップデートする中で、気づいたことが3つあります。
1.働くよろこびを話す機会になった
結果として、バリューをアップデートするのに1年半かかったわけですが、全社員が集まるオフサイトの時間を使って取り組んだことは、とても良かったと思います。私たち自身の働くよろこびを改めて見つめる機会になりました。
2.経営におけるバリューの位置付けを考えた
バリューを具体的に固めていくフェーズでは、「バリューをどの目線に位置付けるか」が議論になりました。「中期的な経営目線も込めたほうがいいのではないか」という話もありました。
こういった議論を経て、メンバーの働くよろこびがビジョンにつながってくバリューにしようと位置付けることになりました。
3.会議で使われるシンプルな表現に仕上げた
ひとつずつバリューが出来上がっていく中で、「経営者のポエムでは、結局使われないんだよな」と代表の利根川がつぶやいていたのが印象的でした。
結果、以前のバリューと比べて、とてもシンプルな表現になりました。
バリューをアップデートしたのはスタートであり、これからは、アップデートしたバリューが日々の事業活動に馴染み、カルチャーとなっていくよう社内コミュニケーションを工夫していきたいと思います。
ビジョンを実現していく道中で、このバリューが、メンバーやチームの背中をそっと押してくれるものになったら嬉しいです。
参考資料:
ここまでお読みくださりありがとうございます。
みんなのコードは、「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」をビジョンに掲げ、2015年の団体設立以来、小中高でのプログラミング教育等を中心に、情報教育の発展に向け活動し、多くの方からのご支援をいただきながら取り組んでまいりました。
私たちの活動に共感いただき、何かの形で応援したい、と思ってくださった方は、みんなのコードへの寄付をご検討いただけると嬉しいです。
引き続き、21世紀の価値創造の源泉である「情報技術」に関する教育の充実に向けて、これからも取り組んでいきます。
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