見出し画像

【コラム】不老不死は人類を幸せにするか?

こんにちは!かけだし社長の小寺です。
今回は「不老不死」に関するコラムになります。
あくまで素人の妄想に近いですが、興味がある方は、最後までお付き合いいただけますと幸いです。(少し長文です)

不老不死の実現

2021年1月15 日、東京大学医科学研究所から、不老不死に関して、ある研究結果が発表されました。その内容は、「老化を阻止できるかもしれない」というものです。

今まで老化の原因である老化細胞は、発見はされていたものの、体中に無数に存在し、死滅は不可能と思われていました。しかし、老化細胞が必要とする酵素を取り除くことで、結果的に老化細胞を死滅させることに成功したというのです。

これは、いよいよ「不老不死」がファンタジーの世界ではなく、リアルになる日が近づいているのかもしれません。

そんなSFな未来に心を踊らせつつも、実際に「不老不死」が実現したら世の中はどう変化していくのか、考察してみました。

寿命を選択できるようになる

不老不死が技術的に可能になるということは、言い換えれば寿命を選択できるようになるということです。

あえて「選択」と表現したのは、誰もが無条件で不老不死を選択できるとは限らないからです。


まず考えられるのが、金銭的な問題です。

「寿命」を売買できる世界を描いた映画に「TIME」という映画がありました。通貨の代わりに寿命が売買される世界。富裕層はより多くの寿命を獲得し、貧困層は命に限りがある人生を送るという構図が描かれています。
寿命も金次第というコンセプトが、妙に生々しく記憶に残った映画です。

不老不死が高度な技術であれば、そこには金銭的な問題が発生します。
貧富の差が、寿命の差にまで及ぶ世界になるかもしれません。


そしてもうひとつ、不老不死には倫理的な問題もはらんでいます。

はなぜ美しいといわれるのでしょうか?
その理由の1つに開花の時期に限りがあるから、という話を聞いたことがあります。
春の時期にしか咲かないからこそ、尊さや儚さがあり、美しさを感じるのだそうです。

このように、人は有限のものに美しさや価値を感じるのかもしれません。

不老不死がいい!という人もいれば、命には終わりがあるからこそ、一瞬一瞬を大切にでき、一生懸命生きることで人生が輝くという価値観もあります。

不老不死を実現できるからといって、無条件に全員が不老不死を選択するのかは、金銭的・倫理的な観点で、その人の選択を委ねられることになるでしょう。

多様性が失われる

不老不死が当たり前になるということは、不慮の事故でも起きない限り、人は死なないことになります。

一般的に、死亡リスクの高い種ほど、多くの子孫を残す傾向にあります。
そして遺伝子をMIXすることで多様性を生み出し、生き残る確率の高い種をより多く後世に残すことが、種としての役目になります。

ただ、死なないとなればどうでしょう。生物学的に見れば、子孫を残す必要性がなくなるということです。そうなると固定の種が存続し続けるわけなので、子孫が増えず、多様性がストップすることになります。

また、仮に子孫繁栄を目論めば、莫大な人口増加に繋がります。
物理的な成約がある以上、それは由々しき問題です。中国が一人っ子政策を実施したように、今度は地球全体で「勝手に子供を産むこと」が許可されなくなるかもしれません。

不老不死が実現すると、生物学的にも、社会学的にも、多様性が失われる可能性があります。
歴史をたどると、いつの時代も突然あらわれた天才や偉人によって、歴史が動いたことを考えると、固定の種が存続し続けるということは、人類の進歩が鈍化する危険性があります。

不老不死は人類を幸せにするか?

結論、不老不死は手放しで喜べるほど、人類を豊かにするとは考えにくいと思います。

金銭的な問題・倫理的な問題・人口増加・多様性の消失。
ここに挙げた以外にも、技術の裏側には様々な社会問題が複雑に絡み合っています。

世の中を変える先進的な技術も、時に倫理観や軍事利用、政治の側面から、闇に葬られるというのは、よくあることです。

そう考えると、不老不死自体、技術的には可能でも、実用化されるのは、まだまだ先の話になるのかもしれませんね。

以上、不老不死は人類を幸せにするか?でした。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?