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困ったときの著作権 ~クリエイターとしてのサバイバルツールを手に入れる~(ゲスト:笹平直敬さん シナリオランド)

シナリオを中心としたオンラインサロン「シナリオランド」ではオンライン上の交流に加え、クリエイティブの最前線で活躍しているゲストをお招きし、トークショーやワークショップなどを定期的に開催しています。

既に30回以上のイベントを開催して参りましたので、随時振り返ってみます。

さて今回は、アニメーション製作会社トムス・エンタテインメントの知財管理部長であり、またアニメ制作会社の業界団体、日本動画協会の著作権委員会副委員長でもいらっしゃる笹平直敬さんをお招きして、クリエイターにとって大切な著作権を学びました。
「困ったときの著作権 ~クリエイターとしてのサバイバルツールを手に入れる~」(開催日:2018年1月26日)

講師写真(笹平直敬):DSC_0137_HORIZON

【笹平直敬さん:プロフィール】
・株式会社トムス・エンタテインメント 知財管理部長
・一般社団法人日本動画協会 著作権委員会副委員長
・一級知的財産管理技能士(コンテンツ専門業務)

地上波放送局において編成・営業・メディア戦略業務を経験後、東芝・トヨタ自動車など約90社が出資した、世界初の移動体向け衛星デジタルマルチメディア放送局のスタートアップに参画。映像コンテンツの編成、アグリゲート、放送権購入業務ならびに映像・音楽分野全般の著作権業務に携わる。2009年株式会社トムス・エンタテインメントに入社。入社以来、一貫して契約業務、知的財産権管理業務ならびに原作権利者・権利者団体との渉外業務に携わり、2011年より現職。アニメ制作会社の団体である日本動画協会・著作権委員会副委員長として、アニメ業界全体の権利的地位の向上にも尽力している。

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笹平さんは、僕が前職(トムス・エンタテインメント)時代に大変お世話になった方です。
一般的に法務部や知財部は、「現場を知らず頭でっかちな判断をする」と営業などの実働部隊から思われることも多いです。
もちろん現場におもねることなく、リーガル的な見地から判断を下すことは大切ですが、案件によってはリスクはありつつも実行するメリットの方が大きいケースもあったりします。
そうしたときに事業を推進しつつ、リスクを一緒にコントロールしていく仲間が必要ですが、笹平さんは常に現場と寄り添う方でした。

イベントの前半は、著作権の基本についてレクチャー頂きました。
クリエイターで会社に所属している方も多いでしょう。
法人著作(職務著作)の説明など、実務に沿った説明が続きます。
映画やアニメ、ゲームなどは「映画の著作物」に該当しますが、「映画の著作物に関わる権利者」、「著作権者」と「著作者」等のポイントも、直接クリエイターに関わってきます。
歯切れよく懇切丁寧な「笹平節」で、自然と頭の中に知識が入ってきます。

後半はQ&Aです。
例えば、、、
Q:シリーズ構成という仕事で、脚本と同様に著作権を主張することはできないのでしょうか?

Q:最近のアニメでは、いわゆる「パロディ」ものが多く見られますが、どの程度であれば、許される範囲なのでしょうか?

Q:著作権存続期間が満了している昔の小説をベースに、自分のオリジナル小説を書きました。ベースとした小説の著者への配慮は全く必要ないのでしょうか?

……といった、実際の制作現場に即した質問に対しても、真摯にご回答を頂きました。

また、イベントを通して、やはり「著作権」はクリエイターとしてのサバイバルツールだなとひしひしと改めて感じました!

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