猫と熱

猫が好きです。 

動物嫌い(苦手)の母がイニシアチブを取る我が実家では、人間以外に家の敷居を跨ぐことを許されたのは後にも先にも金魚のみでした。

そんな実家のヒエラルキーのおかげで、犬とか猫とかペットの類とは無縁の人生を二十数年送ってきた私ですが、ひょんなことから猫を飼うことになり、突然猫との共同生活が始まりました。

もともと動物が嫌いだったわけではなく、むしろ可愛いし好きと思ってはいましたが、ただ「経験」がないからと言う理由で、この先もペットを飼うというイベントは私の人生には起きないんだろうなぁとぼんやり思っていましたが、人生のあらゆる出来事は突然起きますね。

猫と住むことになった経緯は割愛しますが、自分の想像し得ることのできないパターンの人生が突然始まっていきました。

人生は様々なものに例えられますが、中でも「人生は一本の映画だ」なんて言葉をよく耳にする気がします。

ともすれば、僕の人生という映画は途中から飛び入りしてきた野良猫に出演者全員喰われているように思います。

なんでこんなに人は猫を愛でてしまうんでしょうか。

ふとした時に、余計なことを喋らないから良いのかなぁなんて思ったことがあります。
ペット全般そうですが、飼い主の都合のいいように受け止めて、解釈して、それでもって感謝してみたいなことが時たま起こります。

〜些細なことで妻と喧嘩〜

 主:なんで自分はいつも一言多いんだろ自己嫌悪だ
 猫:ニャオーン(お腹すいたご飯くれ)
 主:励ましてくれてんのか?ありがとう
 猫:ニャオ(水も変えて)
 主:ありがとう謝ってくる

みたいなことがペットのいる家庭では起きます。

抱っこしてたり、膝の上に乗って甘えてきたりすると、「この子はいま何考えてるのかなあ」とか話してみたいなあとか日々思うこともありますが、喋らないから良いのかもなぁとも思います。

でも、理解してあげられた方がきっとその人の苦しみを減らしてあげられるよなぁとか、
そんなことを、突発性発疹にうなされる一歳の息子を看ながらぼんやり思いましたとさ。

【今日の一曲】
Good News Is Bad News/Helsinki Lambda Club

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