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【7月の日記④】「EIZO #1 From White House / ZION」

観たよ。観たわよ。観てやったわよ。ZIONって、光村龍哉の好きな音楽テイストがそのまま形になったバンドで、彼と同じような音楽の趣味嗜好を持つ仲間と組んだバンドなんだね。ライヴ映像を観ながら「なるほどなぁ」と思いました。いつか観たあの路上ライヴ通称 光村GOでも、先日お亡くなりになられた小坂忠さんの「ほうろう」を弾き語っていたのを思い出し合点がいきました。

You Tubeにも上がっている「Hurricane」を聴くと、なんか、ちょっとそれっぽく聴こえるけれど、「image training 」や「バイシクル」のような、青春感満載のギターロックではない。なので、彼らは間もなく開催されるロッキンジャパンフェスで、トップバッターを飾るようなバンドではございません。

今から4,50年前に流行った音楽、つまり70~80年代のロックやポップスを、2020年代でも通用するようオシャレで聴きやすくアップデートさせた音楽性…とでも書けば良いのでしょうか。敢えて流行からは逸れてみた、でも決して時代を後退するようなサウンドではなく、新しさもある。そう言えば、ZION を聴いてると私の頭に浮かんで来たミュージシャンがチラホラ。山下達郎に吉田美奈子、海外勢だと、いわゆるレジェンドと呼ばれる数々のロックバンド。

そして、バンドの活動拠点が北海道であることと共鳴するかのように、メインストリームからだいぶ離れた僻地で、マニアック路線を貫く。

ZIONは、そんなバンドなのだという印象を持った。

ただ、光村がかつて所属していたバンドNICO Touches the Wallsにも、同じようなことをやろうとした形跡があるので、長年私が聴き親しんできたNICOの音楽性の豊かさがどこから生まれてきたのかは、ZIONを聴けば一目瞭然。だからこそNICO 時代にほとんどの曲を作っていた(そしてアレンジもほとんど一人で考えていたであろう)光村には、なかなか解消できずにいたジレンマがあったんじゃないのかなと感じてしまい…。

初めから、やりたいことだけやっていれば良かったんじゃないか?そう思ったりもしたけれど、デビュー当時まだハタチとかで、もちろんギョーカイのことなんてわからないし、「売れたい」という野心もきっとあって、応援してくれる人達の期待にも応えたい気持ちは絶対にあった。

だから、たくさんの荷物を背負いながら15年間、戦うようにバンド活動を続けていたNICO Touches the Wallsの元メンバー4人、本当によく頑張ったと思う。

それに、やりたいことだけをやっていても、確実にNICOは持たなかった、15年も。

光村には理想があるんだろう。それを実現させるために、またミュージシャンとして成長するためにも、彼にとって大切な青春であるNICO Touches the Wallsを終わらせる必要があった。私はそう納得しつつあります。モヤっている部分もあるけれど、それは時間が解決してくれるのを待つしかない。

様々なしがらみから解放された今、私は彼に思う存分ZIONを楽しんで欲しいと思っているし、心から素晴らしい音楽人生がこれからも続くことを願っています。

それにしても「EIZO #1 From White House」は、悔しいほどにカッコいいライヴ映像なんですよ。次こそは私も生演奏を観に行かないと、ですね。
前回、行きそびれたので。



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