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【10月の日記⑦】音楽レビュー:「長いため息のように」the brilliant green

今週は、月曜日の朝に突然「the brilliant green(ザ ブリリアント グリーン。以下、ブリグリ)」を思い出したので、数十年ぶりに、彼女らのファーストアルバム「the brilliant green」とセカンドアルバム「TERRA2001」を聴き続けている。この2枚のアルバムには、英語詞でガッツリUKロックを意識した曲もあれば、テレビドラマの主題歌等に起用されたシングル曲まで、幅広く収録されている。

ブリグリは、1人の女性ヴォーカルと、男性のギタリストとベーシストの3人組ユニットとして1997年にデビュー(現在は2人組で活動休止中?)。ちょうど、イギリスのロックバンド Oasisやブラ-が日本で売れていた時期だったので、サウンド的には洋楽ファンを魅了する要素は盛りだくさんだったこと、また歌詞とメロディに重きを置いたJ-pop路線の歌モノ好きまでも惹きつけてしまう、という2つの魅力を持ち、このバランス感がめちゃくちゃ優れている。

そして何より、ヴォーカルが女性だったことも、売れた要因だろう。ヴォーカルである川瀬智子(通称トミー)の、かわいらしい声で気怠く歌う様は、今思えば、当時は流行っていた、ガンガン高音を出すTKプロデュースのシンガーや、日本人離れしたR&Bシンガーにはない、トミー唯一の魅力だった。

ブリグリがデビューした90年代後半は、彼女らのようにUKロックを意識したギターロックバンドが、たくさんデビューした時代だった。スーパーカー、WINO、プリスクール、ピートベストなどなど。今あげたバンドは既に解散しているけど、2020年代に入っても現役で頑張っているバンドをあげるならば、GRAPEVINE、トライセラトップス、ちょっとジャンルはずれるけれどDragon Ashがそうだ。

そして「TERRA2001」のラストを飾る曲「長いため息のように」の、かなしみの中から光を見つけようとする歌詞が、まるで今の私の気持ちを代弁してるようで。この曲、私が18歳の頃に発売されてるんですけど(苦笑)、それでも歌詞が良ければ、いくつになっても聴くとグッと来るものなんだなあとしみじみ思う。

あなたがくれた本を開いて ここから逃げだそう
今や明日や現実よりも 少しはマシだから
いつの日もわたしの答えは定まらなくて
迷いに迷って遠回りして
たどり着く場所そこで待っていて

the brilliant green「長いため息のように」より


私には、自分で曲を作り、それを世間に発表したいという願望があまりなかった。いや、でも実は20代前半に数曲作ったことがあるけど、センスのセの字もないくらいヒドイ曲で、しかも未だにその曲を覚えている…(黒歴史)。今年に入ってから歌を習いはじめたが、相変わらず「自分の言葉をメロデイに乗せて歌にしたい」という欲望は全くない。単純に私は既存の良い曲をうたいたいだけ。でも、せっかくうたうのなら、人に聴かせられるくらい上手くなりたいとは思っている。

ブリグリはアコースティックギターの弾き語りでうたえたら、素敵だな。


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