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譲原
2018年11月24日 14:11
「侑弥(ゆきや)ー! ちょっと買い物頼まれてくれない?」「……だるい」 ほぼ即答。雑誌を片手に俺はソファーに腰掛けていた。頭にある装備品はヘッドホン。それを首に引っ掛けて、キッチンで忙しそうにしている母さんを見やる。「…母さん、金ー」 まるでダメ息子のように聞こえるが、必要経費のことだ。上着を羽織っていると、五百円玉が飛んでくる。 反射でキャッチすると、「豆腐、絹!」という注文。匂
2018年11月24日 08:40
翌日。 今日は土曜日だった。つまり学校は休み。 ぼんやりとする頭でそれだけを認識して、私は制服に着替える。 土曜日だが、学校に忘れ物をしてしまったのだ。描きかけの絵と、画材道具を。 カーテンから漏れる朝日を見つめる。…今日はそのまま学校で描くのもいいかもしれない。 学校じゃなくても、公園とか。(…うん、そうしよう) そうと決まったら善は急げ、だ。 私は手早く準備を始めた。
2018年11月24日 08:03
「──俺と付き合って、くら助」 まさか、こんなことになろうとは。*** 放課後。 珍しく先輩が私の教室にやってきた。 先輩はモテる。 陸上部の短距離エースだし、頭いいし、顔いいし。 明け透けに言ってしまったが、そのマイペースな性格を除けば完璧超人の王子様だ。 さて、そのマイペースな性格だが。私は先輩が先輩である所以だと思ってる。 ぼーっとした表情でサディスティックな発言し