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星と運命に愛された国(仮題)

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星と運命に愛された国。星を読み国を導く役目の星読師と、この国の民と象徴を守る役目の騎士。そんな二人を巡るワンシーン集。 「運命も前世も、私には必要ない」
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2020年10月の記事一覧

Don't be alone.

「姉さん」 街が眠り、月が中天にかかる頃。 宮殿の最上階。星読師にしか入室が許されていない…

譲原
4年前
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Find a star in the blue sky.

散々泣いた後の夜明けの空は、いつもよりちょっと手厳しい。 風は容赦なく吹き付けてきて冷た…

譲原
4年前
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Looking back on the street corner.

「ニール! 女の子が呼んでるぞ!」 「誰?」 「確か…ラングリッジのお嬢さんだって」 「………

譲原
4年前

You can’t take the milk back from the coffee.

「……何故、あんなことを言ったのです」 硬い声音が重りのように、部屋に響く。 二人分のカッ…

譲原
4年前

She decides the continuation of the sky.

「リーン! 今日はこれもお願いできるかな」 「はーい。…って……」 持ってこられた荷物の大…

譲原
4年前

Angel's ladder.

彼女はいつも空を飛んでいる。 薄曇りの空。今日はあまり高くまで飛べないらしい。かろうじて…

譲原
4年前

I wish your wish and happiness were the same.

学び舎の外。みんなが寝静まった後、一人中庭に抜け出す。 今日は上弦。満月になるまでまだ日があった。そのせいか辺りは暗く、自分の手元でさえ視界が少々おぼつかない。 薄っすらとした物影を頼りにベンチまで歩いて、腰をかける。膝を抱えれば、肌寒さは少し和らいだ。考え事に意識を移す。 どれだけ大切に思っていたって、それが他人を幸せにするとは限らない。最近、何となく分かってきた。 それは星の巡りで決まっているものかもしれないし、他人からの感情によって進むべき道が歪んでしまったものかもしれ

People who look good with tea time and sugar.

「ごゆっくり」 友人達との間で噂になっていた食事処。花がそのまま砂糖漬けになっている花砂…

譲原
4年前
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