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短歌 箱 十首

1
矛盾しているってきみは泣くけれど色恋沙汰に論理は不要

2
うらおもてが許されるのは人生が野球にとても似ているからさ

3
リビングでムーンウォークの練習をしているきみ、たぶん捕まる

4
この部屋も宇宙の歴史の一ページとして今から物差しを折る

5
未来から来たと言い張るおじさんの処遇に困る市役所のひと

6
月明かりに疲れたふたり線路沿いの小部屋から飛び立つ準備

7
ペディキュアを手伝うきみの不器用が一緒にいていい大義名分

8
過ぎ去った燕の影の低さにもうすぐ誰かが泣くと気づいた

9
おじさんは結局我が家に寝泊まりしお礼に黒い小箱をくれた

10
もし羽が生えても行き場所なんてないからとなりにいるね

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