短歌 虹 十首
1
駅前で投げ売りされるマスクたち 近くの川の虹を見ている
2
美しい虹を見たひとから順にチケットが配られてゆく仕組み
3
自転車のサドルを失くす夢を見た 虹の向こうの現実だった
4
大雨のあとに虹がかかるのなら私の眉間にかかってもいい
5
公園で虹を作った過去があり水道代を気にする現在
6
レインボーブリッジがもし本物の虹だったならここにはいない
7
虹なんてただの光の屈折と知ってしまった 誰か謝れ
8
数学で追試を喰らい放課後にふたり占めしたまんまるい虹
9
虹がなぜ虫へんなのかよりも気になるのはきみの昨夜のねごと
10
暴君もロックスターもほんとうは虹をまくらに昼寝をしたい
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