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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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2021年4月の記事一覧

短歌 事件 五首

短歌 事件 五首



1
あなたではない人だから遊園地なんて爆発すればいいのに

2
私さえ気にしなければこの式はとても素敵だ(あああ気になる)

3
落とし穴を作る人は悲しいね誰かが落ちるのが成果だもんな

4
他人事は他人事だけど対岸で火事がおきたらわりと危ない

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殺してもガイシャが出ないものなんだ わからないから声を殺した

短歌 あれ 十首

短歌 あれ 十首

1
罪のない嘘をついても嘘は嘘昨日の自分はいつもかわいい

2
メロン入りメロンパンってありますか?何か不都合がありますか?

3
現代に介錯人がいるのならあの子の部屋に届けてあげて

4
長文のLINEに既読がつかないそろそろ麦茶もからっぽになる

5
ファミマにも夢があるのさ冷凍のコーナーの奥ほら光ってる

6
世が世ならいのちだったと主張する無精卵たちの消費期限

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冷たくて暗い場所でずっ

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短歌 静脈 十首

短歌 静脈 十首

1
ハミングをしても針に糸を通してもまだ永遠を編めないでいる

2
電車とは走る棺かもしれない 祈りを添えて朝が生まれる

3
眼球にきみが映ると寂しくて瞬きするの忘れてしまう

4
選択をしなかったほうの道にだけ咲く花がある(そういうものさ)

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眼球をまぶたのうえで押してみる 大人になってしまいましたよ

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静脈の青によく似たネモフィラが四月の空に溶けたがっている

7
連れてゆくつもりで

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短歌 街 十首

短歌 街 十首


細胞が分裂をするときの音に耳を澄ませて生きております

2
やめてって言えば言うほどお願いが叶うんだって知ってた?(やめて)

3
東京に特許許可局はないことを悲愴なこととして伝える土鳩

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人びとはすでに桜を忘れたかスマホ片手に過ぎる緑道

5
迷うことやめた人から人生という名の迷路を退去しなさい

6
腫れ物が破裂した朝知らんふり鏡の隅が少し錆びてる

7
後悔をしてみたいからその釘を引

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短歌 四月馬鹿 十首

短歌 四月馬鹿 十首

1
遊びではなかったと知り組んだ手がほどけなくなる児戯プレイング

2
結ばれず熟れゆく月が溶けるときうさぎの声でるるらと叫ぶ

3
きみはきみだけを信じていればいいなんて嘘なら私がついた

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懐メロを口ずさむ私のとなりで壊れたがってる父のラジカセ

5
エイプリルフールだからとついていい嘘とそうじゃないのがある(らしい)

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UFOをつくる仕事に就きました みんな笑ってくれたよ、みんな

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