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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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2018年4月の記事一覧

短歌 初夏 十首

短歌 初夏 十首

ドローンは孤独を壊すためにあるという説だがやはりオバケか

ヒーローになれる方法があるなら三回払いで買わせてくれ

君だけがわかってくれたほろ苦さ 焦げたキャラメル食んで微笑む

水たまり飛び越え進む初夏の道 絶望なんてまだ知らないよ

予報ではにわか雨だというけれど二人時々ケンカのちキス

水滴にまっさかさまに映り込む二人の顔がくっつく瞬間

青春の味しかしないガムを噛む

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短歌 猫 十首

短歌 猫 十首

偉い人なんていないよ 偉そうな人なら街に溢れてるけど

黒猫で親指ぎゅっと隠したらぽつぽつ漏れる死にたい理由

終電を逃した猫の迷い子は夜が明けるまで罪を匿う

シグナルが点灯しても気づかずに踊り続ける人のプライド

私よりスマホ画面に夢中だね 私は君よりじゃらしに夢中

突きつけたはずの刃が裏切って禁じ手として愛に化けてく

恋心なんてかわいいもんじゃない できることなら

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短歌 習作 十首

短歌 習作 十首

さよならを置き去りにした二人して永遠求めツツジを啜る

幼な子の黒目に問うてみるがいい ちゃんねるを見る背中はどうか

やわ肌についた傷ごとよろしくね あなたの爪が弾く思い出

省みることのできない阿呆烏 正義の皮を被った行列

今日未明行方不明になりました 確かに君を好いていたのに

イヤホンを分けあう部屋の片隅でおどけほつれてひとつの影に

嫌味など上手くなっても意味が

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