2022年4月2日
今日のココ日(ココルーム日記)
今日の夕飯は、食卓ディレクターで釜ヶ崎芸術大学の人気講座「おかゆのしあわせ」の講師・宮浦宜子さんによる古米のリゾット。
釜芸には古米がたくさん残っていて、そのまま炊くと匂いや味のクセが強く食べにくいのだが、チーズやワインを使いながら臭みや雑味を消して作るリゾットだと古米でも美味しく食べられるんじゃないか、と宮浦さんが提案してくれて実現した。
調理する前に手でも精米を加える丁寧さで、徹底的に古米のクセを取り除いた宮浦さん。
スープをよく吸った古米は、コクと旨味が芯まで行き渡ったご馳走に生まれ変わった。
そして宮浦さんが一緒に作ってくれたインボルティーニ(肉巻き)は、いわゆるクチーナポーヴェラ(直訳すると「貧しい料理」)と呼ばれるイタリアの庶民料理の類で、薄い肉をカサ増しするためにパン粉やキノコなどを混ぜ込んで蒸し焼きにしたもの。
釜芸講師として釜ヶ崎のオッチャンたちとの付き合いも長い宮浦さんは、ファンシーなイタリア料理というよりは、親しみやすい家庭の味を再現することを大事にしていた。
最後にイタリアンオムレツも登場し、釜芸の食卓がブラヴィッシモな空気に包まれる。
「釜ヶ崎の人たちに、ちょっとだけいつもと違う雰囲気の料理を味わってもらいたい」
そう言ってこの企画を提案してくれた宮浦さん。
テーブルを囲んだ皆んなが連発する「美味しい!」を聞きながらホッとした表情で微笑んでいたのが印象的だった。
これから月一回のペースで宮浦さんのイタリアンナイトが開催される予定。
そのうち釜のオッチャンたちが
「ヴォーノ!」
と舌鼓を打つ姿がこの食卓で見られるようになるかもしれない。
(書いた人:テンギョー)
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