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曇天模様の空の下。

 朝起きたら、空は曇り。
 気持ちまでちょっとどんよりしてしまうような朝。

あまりうまく撮れなかったのが残念。

 こんな空を見上げると、いつも自分が高校生だった頃を思い出してしまう。
 曇天模様の空に、学生時代のどんな思い出があるのだろうと思うのだけど取り立ててそんなに印象的な思い出はない。
 ただ、曇天の日にいつものように学校に行って、授業を受けて、気がついたら午後になったら晴れていたという思い出がある。いつの日の思い出なのだろうかとも思い出せない。3年間の毎日の中の日常の1ページだったのだろう。

 不思議と朝は曇天なのだけど……

 午後からはいい天気で、帰る時間には雲はすっかりなくなっている。
 そんな思い出。
 いや思い出ではなくもしかしたら脚色された記憶なのかもしれない。

 以前に雨の日の思い出についても書いた記憶があるのだけど、どうにもボクの中での思い出は雨が降っているか曇天なのか、そんな天気が悪いことが多い。

 雨にいい思い出があるわけではない。
 ただ雨の思い出が多いのが、こういうことにつながっているのかもしれない。
 以前にも書いたかもしれないが、ボクの人生、ここ一番では常に雨が降っているのだ。
 その癖、釣りに行くときはあまり雨はふらないのだけど。

 曇天模様の空の下。

 高校生だったボクは何を考えていたのだろうか……
 朝からそんな考えても仕方ないことを考えてみた。
 そもそもボクが高校生だったのは30年ほど前の話だ。

 30年……

 なんだかあっという間だったような気がする。
 中学を卒業して、初めて電車に乗って通学することにワクワクしながら3年間を過ごした。
 そういえば高校の入学式も雨だった。けっこうな大雨だった。春先の雨は肌寒かったので帰りに母親がラーメンを奢ってくれた記憶がある。

 入学する時は不安だった。
 中学の友人が一人もいないところに来てしまったからである。
 スポーツをしていたわけでもなく、力もなく、体格もそんなに大きくない。そして勉強もそんなにできない。何者でもないボクは何かができたわけではないから、知っている人間が誰もいないところに行くのにはかなりの不安があったのだ。

 ああ……
 本当に大丈夫だろうか。

 ボクの不安は空の曇天のように広がっていって、人生で一番楽しいはずの10代を暗い気持ちにしてくれた。

 曇天模様の空の下……ボクが学生時代のことを思い出すのはそんな不安な気持ちが最初にあったからかもしれない。

 入学した時は不安だった高校は、通学を毎日繰り返すほどに慣れていき、友人もでき、楽しい学生生活を送ることができた。
 何者でもないボクは相変わらず何者でもない。
 賢くなったわけではなく年々、怠け者になっていくばかりだ。
 でもあの頃は確かに、雲が少しずつ晴れていくように、不安がなくなっていき、最終的には楽しい学生生活を送ることができたのだ。

 最近は病気のせいか何事もなくても不安を感じることが多いのだけど……人生が一区切りした頃には高校時代と同じように『楽しかった』と思いたい。
 朝は曇天でも夕方帰る頃にはいい天気。そして素敵な夕焼けが目の前に広がる。

夕焼けがキレイだった。

 そんなイメージの人生を送りたいものだ。

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