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大船が好き。

 ボクが住んでいる街は横浜市栄区という場所であり、最寄り駅は本郷台と大船である。
 そう言われても他の都道府県に住んでいる方には分かりづらいかもしれない。

 先日、妻の友人が愛知県にいるので会いに行ったのだけど、愛知の人に『神奈川県横浜市栄区在住です』と言ってもピンときていない様子だった。
 まあ、自分に馴染みのない場所の理解など、そんなもんかもしれない。
 逆にボクが他の都道府県のこと言われてもよく分からない。

 海が近くて魚が釣れるところで有名な場所なら、すぐに食いつくだろうけど、内陸で海もなく、川も湖もないような土地には何の興味もない。
 いや……いいところがあるのは分かるのだけど、興味の入り口として釣りができない土地だと聞いただけで一気に興味が失せるのはこれは仕方のないことではないだろうか。

『今、八女に住んでいるんだよね』
『おお、そうなんだ。なんか釣れるの??』
『え? 釣れる?? いや……分からんなあ』
 先日、数十年ぶりに再会した茨木くんは、九州の八女というところに住んでいるらしい。
 九州と言えば魚が釣れそうなイメージなのですぐに聞いたのだけど、茨木くんは心底嫌そうな声で『内陸だから』と言っていた。

 まあ、釣りに興味がない彼にそんなことを聞いたボクが悪いのである。
 じゃあ他に何か面白いものはないかと聞いたところ……

『う――ん……なんだろうなあ。お茶が美味しいことかな?』
『ああ、八女茶って有名だもんね。焼酎は?』
『茜霧島っていう焼酎があるよ』
『それ、こっちでも売ってる……』
『嘘?!』
『数年前までは売ってなかったんだけどねえ……』

 久しぶりに話したというのにこんな不毛な会話をしてしまった。
 まあ、茨木くんとの会話が不毛でなかったことなどあまりないのでこれはこれで楽しかったのだけど。

 こういうことを考えると、ボクはもう少し自分が住んでいるこの街の理解を深めていかないとだなあ……と思うのである。

 ボクは最寄り駅の『大船』が大好きである。
 そもそも大船には母校があったし、母校がなくなった跡地には『湘南鎌倉総合病院』ができてそこで息子が生まれている。
 城廻という土地は戦国時代に『玉縄城』という難攻不落の城があった歴史ある土地であるし、大きな柏尾川が藤沢に向かって流れている。覗き込むと案外、いろんな生物が生息しておりすごく楽しい。カメラを構えて何かを撮影してもいいかもしれない。
 鉄道ファンならいくつか写真が撮れる場所もあるので、そこで電車の撮影もできる。

 東口はたくさんのお店があり、飲み屋も多数ある。
 そして美味しいラーメン屋も……

 一つだけ不満を言えば、蕎麦屋がないことだろうか。
 いや、あるのかもしれない。だけど敷居が高くてボクの目には入らないのだ。

 ここまで書いていて気付いたのだけど……

 ボクが愛してやまないこの『大船』
 残念ながら釣りができる場所がないのだ。

 昔はこの土地で船を作り、海まで持って行っていたから『大船』という地名がついたらしいが……海までは少し距離がある。
 大船から一番近い海は江の島になる。
 湘南モノレールは数少ない吊り下げ型のモノレールで、ぜひ乗ってもらいたい。
 終点まで行けば江の島である。

 う――ん……。
 釣りに関しては少し弱いなあ……という感じではある。

 まあ、ボクのような釣りバカはどんな犠牲を払ってでも釣りには行く。

 我が街を紹介する時はとりあえず釣りのことは頭から外しておいてもいいのかもしれない。

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