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飼い主の定期健診と、IQ高めな留守番カメ

毎週同じことを言っているが、やっと、たどり着いた週末。

平日は、いくら定時ダッシュをキメても、帰ってきてから何もする気が起きない。食う・浴びる(たまに浴びない)・韓ドラ・寝るだけを繰り返す、飼い主。「キム秘書は、一体なぜ?」は4周目に突入し、簡単な口語なら、聞き取れるレベルに成長している。クルックナ~(なるほど)

今日は、せっかくの土曜だというのに、婦人科の病院へ、定期健診に行ってきた。もう何年も前になるが、安心を買うために受けた子宮がん検診で、卵巣に8cm大の腫瘍が見つかり、摘出手術を受けたことがある。

当時、この腫瘍に「てるお」と名付けて、発見から摘出までの約3か月間を、共に過ごした。一緒に、代々木公園のタイフェスに行ったり、ディズニーシーで、センターオブジアースに乗ったりした。

無事に摘出された「てるお」は、その後、良性であることが確認され、卵巣皮様のう腫という新しい名前のもと、飼い主の病歴に仲間入りした。

それからというもの、子宮頸がん検診と合わせて、年に数回、望まれない「新てるお」誕生の瞬間に立ち会うべく、定期健診を続けている。

心と、身体は、繋がっている。身体の不調は、気力をそぎ落としてしまうけど、人間の幸せは、脳で作られているとしたら、なによりも守られるべきは、心の健康だと思う。

「てるお」だって、仮想空間で作り上げられた未確認物体ではなく、なんらかの理由で、わたしの身体に生じたエラーが生み出した、名もなき悲鳴に違いない。

心をむしばむ原因は、想像以上に、たくさんある。鬼束ちひろが言っていたように、人間界は生きにくい。

カミツキガメみたいに、ところかまわず威嚇しては、噛みついて離さない、ヒト属ヒトも存在する。(本家カミツキガメの方が、きっと頭が良い。)

ちなみに愛亀は、水槽の外では、おトイレを我慢する。(落ち着きがなく、急いで水に戻すと、用を足す。)今まで、粗相が一度もない、IQ高めなカブトニオイガメ。そして、控えめに言って、顔がとにかく可愛い。

飼い主よりも賢い愛亀は、今日、ハンディー掃除機の周りの配線を、まるでサスケのように、器用に乗り越えたり、くぐったりしながら、ずっと遊んでいる。そのうち、二足歩行を始めて、話せるようになる日も、近いかもしれない。

土曜日の夕方も、高確率で、サザエさん症候群に苛まれる。一番心躍るのは、金曜日の帰り道に違いない。週末のゴングが鳴っている。

もう一度、昨晩に戻ってくれないかと切に願う。いや、せっかく過去に戻れるなら、昨晩とは言わず、10年前に戻ってほしい。愛亀も連れて。


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