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花粉に負けない!花粉ブロックスプレーの実力ランキング

だんだんと暖かくなるこの時期、「肌がピリピリしてかゆい」「急にいつものスキンケアも刺激を感じるようになった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

春先から起こる不快な「肌荒れ」。
原因の1つには、花粉の影響が考えられます。

過去の記事で、花粉症でも非花粉症でも、花粉が肌に付着することによって、バリア機能の低下やかゆみなどの「肌荒れ」を引き起こすことを解説しました。
花粉による肌荒れについては、下記で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

実は、非花粉症の人でも、肌に対しては花粉症対策が必要なのです。
上記記事でもお話していますが、花粉対策は大きく3つのステップがあります。

1.そもそも花粉を付着させない
服の素材や髪型に気を付ける、花粉ブロック商品を使ってみるなどのちょっとした工夫でも、花粉の付着を抑えることができます。

2.付着した花粉を取り除く
玄関に入る前に衣類の花粉を払い落とす、帰宅後すぐに洗顔する、花粉の付いた衣類を洗濯する、などをして付着した花粉を取り除きます。

3.肌のバリア機能を高める
生活習慣を整えること、保湿ケアをしっかりと継続することで、肌のバリア機能を高めて花粉の影響を受けにくい肌へと導きます。


今回の記事では、上記3つの対策の中の、「1.そもそも花粉を付着させない」と「3.肌のバリア機能を高める保湿ケア」について、更に具体的な方法をお伝えします。

近年は、花粉の付着を防ぐ様々な商品が出てきています。
本記事では、皆さまも手軽に手に入れやすい「花粉ブロックスプレー」について詳しく解説していきたいと思います。

実際に皆さまも手にすることができるだろう市場商品13品を、花粉の防御性とバリア機能を高めるために欠かせない保湿性に対して実験し、その実力を紹介します。

花粉による肌荒れに悩んでいる方に向けて、花粉ブロックスプレーの選び方に役立つ情報をお届けするので、ぜひ最後までお付き合いください。


花粉ブロックスプレーのメカニズム

花粉の付着を防止する花粉ブロックスプレーの商品は、現在、大きく2つの方法があります。

①イオンの力を活用する

「イオン」とは、電気を帯びた目に見えない状態の微粒子のことです。
そもそも花粉の付着には、物質が持つ「電気」も大きく関わっていると考えられており、「静電気」もその1つです。

<静電気とは>
身の回りにあるものはどんなものでも、プラスとマイナスの2種類の電気をもっています。
物質がプラスの電気とマイナスの電気を同じ数だけ持っている場合、つり合いが取れた「電気的に中性な状態」であり、「電気が帯びていない状態」ということができます。
しかし、2つの物質が衝突すると、マイナスの電気が片方からもう片方に移動する現象が発生します。
マイナスの電気が移動したことで、マイナスの電気を奪われた物質はプラスの電気が多くなり、電気のバランスが崩れた状態になります。バランスが崩れ、「電気を帯びている状態」を「静電気」と言います¹⁾。

静電気(イメージ図)

花粉やPM2.5などの空気中の飛散物も電気を持っていて、静電気を帯びている場合が多いです²⁾。
静電気には、同じ電気(プラスまたはマイナス)を帯電している物質同士は反発し合い、それぞれ違う電気を帯電している物質と引き合う、という特徴があります。
花粉と肌が違う電気を帯びていた場合、お互いを引き付け合うことで付着しやすくなっています。

花粉付着を防止する花粉ブロックスプレーは、商品のイオンの力によって人や花粉の電気のやり取りをコントロールし、以下のアプローチにより花粉の付着を防ぎます。

①静電気の反発の力を強めたり、引き寄せる力を弱めることで、肌への付着を防ぐ
②商品自体に花粉を吸着させて肌への直接的な付着を防ぐ

このようなメカニズムで花粉が肌に直接触れることを防ぎます。

イオンによる花粉付着防止(イメージ図)

また、電気の性質として、「水分量が高いと電気が流れやすくなり静電気が発生しにくい」ということもわかっています³⁾。
乾燥した冬の方が静電気が起きやすいことを考えるとイメージしやすいと思います。
肌の水分も静電気の発生に関係すると考えられます。
そのため、「イオンの力を活用する」メカニズムに加えて、保湿を目的とした成分が配合されているスプレーもあります。

②肌表面に膜をつくる

「イオンの力を活用する」以外の花粉ブロックスプレーのメカニズムは、「肌表面に膜をつくる」です。肌のうえにバリア膜をつくって物理的に花粉の付着を防ぐ仕組みです。
乾くと透明のフィルム状になる成分が皮膚表面で薄く固まり、花粉との直接的な接触を防ぎます。

バリア膜による花粉付着防止(イメージ図)

ここまでメカニズムを解説しましたが、『結局どの商品を使ったら良いの?』と思った方もいらっしゃると思います。
そこで、市場にある花粉ブロックスプレーの付着防止力と保湿力を実験することにしました。

ランキングでまとめていますので、ぜひご参考にしてください。

【検証】花粉ブロックスプレーの実力は?

今回の検証では、「花粉付着防止力」だけではなく、肌がうるおった状態が続いていることが花粉による肌荒れを防ぐことにつながるので「保湿力」についても実験しました。

<対象商品>
価格帯:600円台~6,000円台
販売経路:ドラッグストア、通信販売、など
商品数:合計13商品

選定された13製品

1.花粉付着防止力

<測定方法>
1.ケースに花粉モデルを一定量入れる
2.皮膚モデルをケースの蓋に貼り、花粉ブロック商品を塗布
3.ケースに、2の花粉ブロック商品を塗布した皮膚モデルがついている蓋をはめて、一定時間/速度で機器で振動させ、花粉モデルを舞い上がらせる
4.皮膚モデルに付着した花粉を目視判定する

花粉付着防止試験(イメージ図)

<評価>上記の測定結果を基に3段階で評価。

花粉付着防止試験の3段階評価


ー 花粉が付着しづらかった商品はどれ?

今回、花粉が付着しづらい商品(★★★)は7商品ありました。

花粉が付着しづらかった商品(メーカー推奨価格)

商品の中には、メカニズムの「②肌表面に膜をつくる」商品も含まれていますが、今回の試験ではメカニズムの「①イオンの力を活用する」商品が3段階評価の★★★に多い傾向にありました。

2.保湿力

<測定方法>
1.商品を塗布する前の角層水分量を測定する
2.花粉ブロック商品を一定量塗布する
3.塗布3時間後の塗布部分の角層水分量を測定する
4.被験者(n=3)の角層水分量の平均値を測定値とする

保湿力試験(イメージ画像)

<評価>
上記の測定結果を基に3段階で評価。

ー 保湿力が高い商品はどれ?

今回の実験で、保湿力の高い(★★★)ものは4商品ありました。

13製品の中でも、油層・水層の2層式の「ヴァーチェ モイストバリアミスト」が保湿力が高かったです。
2層式の商品は、水分によって肌をうるおし、オイルのエモリエント効果によって肌表面に膜を作ることで、しっかりと保湿されていると考えられます。

💎COCO.library調べ:花粉ブロックスプレーの実力💎

今回の試験で、花粉付着防止力も保湿力も高かった商品が以下の2つでした。

● DECENCIA アヤナス モイストバリア ミスト
花粉付着防止力:★★★
保湿力    :★★★
メーカー推奨価格:2,970円/50ml

「②肌表面に膜をつくる」タイプの花粉ブロックスプレーです。
アクリレーツコポリマーやアルギン酸硫酸Naなど、複合的な皮膜形成剤が肌表面に膜をつくり、花粉との直接的な接触を防ぐことが期待できます。
微細なミスト状なので顔全体に均一に塗布しやすく、みずみずしくしっとりとした使用感です。
合成香料不使用なので、強い香りが苦手な方にも使いやすいスプレーです。

● VIRCHE モイストバリアミスト
花粉付着防止力:★★★
保湿力    :★★★
メーカー推奨価格:3,520円/50ml

こちらも「②肌表面に膜をつくる」タイプの花粉ブロックスプレーです。
デポルファン※という複合物質が肌表面に膜をつくり、大気中の微粒子の肌への吸着を防いでくれることが期待できます。
油層・水層の2層式のため、塗布後も長時間うるおいが続くような使用感で、ハーバルグリーンの香りが楽しめるスプレーです。

※マルトデキストリン、プルラン、カエサルピニアスピノサガム、水、カルボキシメチル-β-グルカンNa、コショウソウ芽エキス

今回の実験結果に関して、保湿力が高い商品は、その分水分量が高く静電気が発生しづらいので、花粉も付着しづらかったのではないかと考察できます。

COCOlibraryオリジナルのランキングはいかがでしたか?
花粉症の方も非花粉症の方も、この時期、肌への刺激を感じたら、花粉ブロックスプレーを取り入れて、健やかな肌を守ってくださいね!

また、普段のスキンケアで疑問に思っていることをお持ちの方は、ぜひコメントでお知らせください。
COCOlibraryが徹底的に検証いたします。

(執筆:まなか)


参考文献)
1.静電気とは, KEYENCE, 静電気対策のノウハウを学ぶサイト 静電気ドクター, (参照:2024/03/29)
2.特許第3886893号:花粉吸着剤に関する特許, 武田収功ら, 特許公報(B2), (2007)
3.静電気対策の種類, KEYENCE, 静電気対策のノウハウを学ぶ静電気の教科書,18, (参照:2024/03/29)

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