他人の目を気にする人は、”大人しくて奥手な人”では絶対にない。【読書感想文】
年末あたりから何故かエッセイが読みたくなり、オードリー若林の「ナナメの夕暮れ」を読んだ。大好きな星野源と考えや感覚が近い(であろう)と思ったのも選定理由のひとつだ。
いま思い返すと、自分の気持ちを共感してくれるもの、肯定してくれるものを欲してエッセイに手を伸ばしたのだと思う。
その証拠に読み終えたいまは、なんと心の軽いことか。
この記事のタイトルにもあるように、言い当てられてドキッとし、悔しいような嬉しいような文章がこのエッセイにはたくさん散りばめられているのだ。
それらは、居心地の悪いものでは決してなく、
自分の気持ちが見透かされた気がしつつも、間違っていない、この心に感じる違和感はおかしくないと安堵している自分がいる。
絶賛キャリア迷子期の私は、もしいま若林に会うことができるなら『芸人でなければ、どんな職につきたいですか?』と尋ねたい。
しかし、そんな心がバレているかのように巻末の解説では朝井リョウに『自分の呼吸法を見つけろ』とピシャリと言われてしまい、
うぅ~~、やはり己の傷と戦う(向き合う)べきなのかー。
と感じる。
『私は1人でいるほうが好きだ』『人が苦手だ』
この2つは、学生時代から散々自分に投げかけてきた言葉だ。
だが、このエッセイに出会うまで、自分の価値観が変わってきているなんて微塵たりとも疑わなかった。
いや、長年自分に掛けてきた言葉を否定することができず、ただ目を背けてきたようにも思う。
それでも、
いやいや、でも人間の価値観ってそう簡単には変わらなくない?
と心の片隅で思っている自分もいるが、
こうやって自分に問いかけ、試行錯誤を繰り返すことが、
自分と向き合う、
自分に素直になる、
ということかもしれない。
そう思うと、また心が軽くなれる、そんな1冊でした。
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