咲間すい

都内IT企業OL / 20代 / 言葉を大切に / ゆるく更新 よろしくお願いします。

咲間すい

都内IT企業OL / 20代 / 言葉を大切に / ゆるく更新 よろしくお願いします。

最近の記事

ピンとこない、の正体は、その人が自分につけている値段です。【読書感想文】

映画化するとのことで、辻村深月の『傲慢と善良』を読んだ。最初の感想は 婚活の教科書だーーーー!!!! だった。誰かを選ぶ、とされる恋愛市場において、いや 恋愛市場でなくても選択する場面では必ずと言っていいほどタイトルにある『傲慢と善良』が見え隠れするだろう。 学生時代の恋焦がれていた先輩が話していた、 「恋愛って誰かを品定めするみたいで嫌なんだよね。」という言葉を聞いた時に感じた違和感がいまになってわかった。彼の中にある傲慢さを感じたからではなかったのか、、いまさらの答

    • 自分が幸福か不幸か分からない感覚。これもまた、きわめて現代的な感覚だと僕は思っています。【読書感想文】

      鴻上 尚史の「名セリフ!」を読んだ。 『演劇』と聞いて、何が思い浮かぶだろうか。 有名なロミオとジュリエット、レ・ミゼラブルなどの作品名や、 劇場、そして役者やミュージカルというようなジャンルなど、、 連想できる言葉はいくつも存在する。 私の中では、幼少期に鑑賞会という名で、はらぺこあおむしの作品を観たのが最初の記憶だ。 演劇は、どこか馴染みがないようで私たちの生活とは深い関わりがあるもの だとこの「名セリフ!」を読んで思う。 この一節を読んだとき、こんなにも人間の泥臭く

      • 意味なんかないさ、暮らしがあるだけ。ただ腹を空かせて、君の元へ帰るんだ。【読書感想文】

        タイトルを読んで、ふとメロディを口ずさんだ人はいないだろうか?星野源のエッセイ「いのちの車窓から」を読むと、かの有名な楽曲「恋」の歌詞であったこの言葉が生き生きと蘇ってくるようになるのだ。 星野源は俳優、音楽家、文筆家と枠にはまらないマルチに活躍する時代を代表するアーティストだ。 ファンからは『源さん / ちゃん』という愛称で親しまれ、ラジオを聴くとそれはそれは人柄の良さが滲み出ており、心地よい。 人柄の良さ、というより自然体なところがいいのかな。 そんな源さんが書いた、

        • 好きという感情には、答がない。好きという気持ちには、どうやって区切りをつければいのだろう。【読書感想文】

          恩田陸 の「夜のピクニック」を読んだ。 好きな人と同じものを共有したい、というキモオタムーブを誰しも一回は起こしたことがあるだろう。私も例外ではなく、推しが『学生の頃に読んだことがあり、最近読み直してまた違う受け取り方をして感性が変わったかも』と言っていたのを思い出し、この「夜のピクニック」を不純な動機で読んでみた。 物語の舞台は進学校の高校生なので、推しはこんな設定にも共感したのかなーと考えながら読み進めていったのだが、 浮気に対しての考え方とかいまの私にはわからなくて

        ピンとこない、の正体は、その人が自分につけている値段です。【読書感想文】

        • 自分が幸福か不幸か分からない感覚。これもまた、きわめて現代的な感覚だと僕は思っています。【読書感想文】

        • 意味なんかないさ、暮らしがあるだけ。ただ腹を空かせて、君の元へ帰るんだ。【読書感想文】

        • 好きという感情には、答がない。好きという気持ちには、どうやって区切りをつければいのだろう。【読書感想文】

          他人の目を気にする人は、”大人しくて奥手な人”では絶対にない。【読書感想文】

          年末あたりから何故かエッセイが読みたくなり、オードリー若林の「ナナメの夕暮れ」を読んだ。大好きな星野源と考えや感覚が近い(であろう)と思ったのも選定理由のひとつだ。 いま思い返すと、自分の気持ちを共感してくれるもの、肯定してくれるものを欲してエッセイに手を伸ばしたのだと思う。 その証拠に読み終えたいまは、なんと心の軽いことか。 この記事のタイトルにもあるように、言い当てられてドキッとし、悔しいような嬉しいような文章がこのエッセイにはたくさん散りばめられているのだ。 それ

          他人の目を気にする人は、”大人しくて奥手な人”では絶対にない。【読書感想文】

          月が欠けるように死んでいき、月が満ちるように生まれる。【読書感想文】

          佐藤正午の「月の満ち欠け」は大泉洋や有村架純、アイドルである目黒連が実写したということもあり、有名な作品だったので気になり読んでみた。 読んだ感想としては、なんて美しい言葉なんだろう である。 主人公の私は決してあなたから心変わりしない、という気持ちを表すために、途中で和歌が出てくるのだが、 そ、そんな~~~~~ 平安時代みたいな演出を~~?! と和歌と物語の美しさに圧倒されてしまった。 ちなみに、作品のタイトルである「月の満ち欠け」は、今回の記事タイトルでもある「

          月が欠けるように死んでいき、月が満ちるように生まれる。【読書感想文】

          社会とは、究極的に狭い視野しか持ち合わせていない個人の集まりだ。【読書感想文】

          朝井リョウの話題作「正欲」を読んだ。稲垣ごろちゃんやガッキーが実写化することもあり、気になって購入した。 帯には『読む前のあなたには戻れない…』と書かれており、そんなありきたりなと内心で思っていたのだが、、 本当に読む前には戻れない作品なのだ!!!!!!!!!!! この本を読んで思い出した曲がある。 星野源の「くせのうた」だ。 歌詞では『君のことを知りたいと思うには、僕はあまりにつまらない。』とあるが、そりゃ他人の性癖なんて理解したいと想像したことすらない自分がいることに

          社会とは、究極的に狭い視野しか持ち合わせていない個人の集まりだ。【読書感想文】