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映画『LOVE!TAMAGAWA!』脚本【VOL.3】

○翌日 204号室 (朝)

ベッドで横になっている寛人。スマホのメッセージの着信音。目を開けて、エアコンがついていることに気づく。

寛人「もう復電か。良かった。ああ、腹へった」

(スマホを手に取りウーバーイーツで注文しようとする)お寿司お寿司」

○小学校・教員事務室

瞬、保護者に電話をかけている。

瞬「こんにちは、大岡です。小島恵さんのお母様でいらっしゃいますか。先ほど体育の授業中に具合が悪くて早退したいと言ってましたので、今からお迎えできますでしょうか…はい、分かりました。では後ほど小島さんと一緒に校門でお待ちします。では失礼します」

○校門

小島恵に付き添ってお母さんを待って いる。なかなかお母さんの姿が現れない。お腹が空いてグーと鳴る瞬。

瞬「大丈夫、もうちょっと待ちましょう。お母様はすぐお迎えに来ると言ってたんで」

小島恵「うん」

しばらくすると、ようやくお母さんが到着。瞬と簡単に挨拶を交わして小島恵を連れて帰る。

○校庭の花壇

お弁当を食べながら俳優小林裕出演の バラエティー番組を見る瞬。

○204号室

チャイムが鳴る 。寛人は帽子とマスク をつけてドアを開ける。

配達員「工藤さんの出前です。遅くなってすみません。この辺あんまり来てないんで、道が分からなくて…」

寛人「大丈夫です。ありがとうございました」

寛人、出前を受け取る。ドアを閉めて、帽子とマスクを外す。

○教員事務室(夕)

三浦「大岡先生、まだ終わってないんですか」

瞬「うん、もうちょっと仕事が残っているんで…どうぞお先に」

三浦「それ、もともと前田先生の仕事でしょう」

瞬「やっておかないと、なんか不安で…」

三浦「あんまり遅くならないようにね、ではお先に失礼します」

瞬「はい、お疲れ様です」

○土手

日が暮れる

ジョギングする寛人。遠い先に歩いてる瞬に気づく。足を緩めて、瞬の後ろについていく。

○アパート・階段

瞬が先に上った後、間隔をあけてすっと階段に上る。

二階に上った寛人。瞬がカバンから鍵を探るのを見て、さっと壁際に身を隠す。ドアを開けて部屋に入った瞬を確認してから壁際から出て自分の部屋に入る。

○203号室

壁に貼ってある小林裕のポスターに対 して

瞬「ただいま」

冷蔵庫を開けて食材を取り出す。料理の支度を始める。

○204号室

ベッドでスマホゲームをやっている寛 人。料理の匂いが漂ってくる。ゲームをやめる。

寛人「いいにおい!どこからなの?」

匂いに惹かれて玄関に向かう。ドアにくっついて匂いを嗅ぐ。

寛人「腹へった。俺の海鮮丼まだかよ。もう1時間も経ったのに」

○203号室

台所で牛肉を炒める瞬。

チャイムが鳴る。

瞬「はい」

ドアを開ける。

○アパート・二階の廊下

配達員「工藤さんですか。出前です」

びっくりする瞬。

ドアを開ける寛人。

寛人「すみません。私のです。ありがとうございました」

瞬の台所を覗く寛人。

寛人「料理をしていますか」

瞬「はい」

軽くお辞儀をして部屋に戻る二人。

○204号室

出前を持ったままドアにもたれる寛人。

寛人「さっき顔丸出ししちゃったのか。もう!お腹が空きすぎてつい…どうしよう。サインをもらいに来るのか、それともネットに晒すのか」耳を壁に当てて向こうの音を聞く。

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