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書評を書く読書会を始めます。

会の主宰者栗原さんは、端正な日本語を話されます。言葉は人の内面なので、きっとそういう方なのだろうなと、私の雑な話し言葉を恥じながら、心を赤く染め、栗原さんと話をしています。なんと、当店で素敵な読書会を開いてくださいます。事前に課題の提出が必要です。ハードルは高いですが、その分得るものも多いはず。自分を変えたい方、是非ご参加ください。

このたび高円寺のコクテイル書房にて一般の方を対象とする「小説の書評を書いてみる」と題した読書会を始めたいと思います。

 読書に関心のある方であれば誰しもが一度は何らかの本に関する書評を読んだことがあるでしょう。「人が書いた本について自分の思ったことを書く」と説明してしまえば簡単そうな書評ですが、そこには、対象の内容を人に伝わるように説明すると同時に書き手自身の批評(必ずしも否定的な評価を意味しません)も示すという技術が求められます。それゆえ、いざ自分でやってみるとそれまで想像していた以上に難しく感じられ、またせっかく完成したところで人に見せなければ上手く書けたのかどうかも自分だけでは判断がつきません。このように書評を書くことは、必然的に高度な作文能力の習得における優れたトレーニングになるにもかかわらず、一人で学ぶにはなかなかハードルが高いのです。

 そこでこの読書会では、小説を読む⇨内容を解釈する⇨書くという一連のプロセスを参加者同士で共有することによってお互いの書評力をブラッシュアップしていく機会を提供したいと思います。ここで対象を小説とするのは、それが論理的に書かれているとも限らず、また内容も一義的に解釈出来るわけではない、書評にとって難しい文章のジャンルであるからです。もちろん、小説のみを特別視するつもりはありませんが、多種多様な作文技術を凝集して書かれた小説は、その人の書評力を磨くのにもうってつけの対象だとは言えるでしょう。読み、解釈を与え、文章にまとめる、こうした作業を人と一緒に反復していくことで、今まで以上に小説を深く理解する技術を体得します。ただし、最初から上手く書くのは難しいので、上記のプロセスを段階的に踏まえながらお互いの書評を読み、批評し合うところまで到達出来ればと考えています。また、最終的にはそこからより汎用性の高い論理的な文章を書く習慣を身につけることを目指します。

 以下、第1回の開催概要です。

●第1回 イントロダクション 小説を深く読むために

対象:一般の方

日時:2022年3月19日(土)15時-16時30分

定員:6名程度

参加費:1,000円

課題図書と事前課題:宇佐見りん『推し、燃ゆ』(河出書房新社、2020)を読み、自分が思う書評の形で書いてみてください。いきなり書くのは不安かも知れませんが、初回なのであまり深く考えず取り組んでみてください。(なお、字数は自由ですが、ひとまず新聞の書評欄と同じくらいの800字程度までとします。また、開催日の一週間前までに下掲のアドレスにWordなどでお送りいただければ幸いです)。

 

主宰:栗原悠(博士〔文学〕、早稲田大学助教、大東文化大学非常勤講師)

連絡先:moyoko0629[@]gmail.com (メールの際、[] は外してください)

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