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戦中派の母の短歌より時代を再認識する/戦争反対

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戦中派の母親が95歳になりました。 尋常小学校卒業後、上の女学校には行かせてもらえませんでした。広告の裏に短歌を書いては推敲していた姿を思い出します。 歌集を読み返してみると何気…
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記事一覧

母の短歌・母の母

脱ぎし足袋 おのづからなる ふくらみの 母と我との 互ひに似たる  母はこの11月で96歳になり…

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7か月前
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母の短歌・静謐

夜おそく 卵茹でをり 鍋底に 触るるその音 厨にひびく  自分が秋らしいと思った歌を選んでみ…

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9か月前
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母の随筆 『特攻出撃命令出ず命拾いした義兄』

 この3ヶ月の間に私たち夫婦の兄たちが相次いで亡くなった。くしくも兄たちは先の大戦で九死…

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11か月前
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母の随筆 『ラジオ』

<ラジオ>  子どもの頃から機械が好きだった兄は、農家の長男であるためその道に進めず、そ…

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1年前
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母の短歌・義兄の従軍

身罷りし 義兄の一生(ひとよ)に 七年の 従軍といふ 歳月ありき ※【身罷る】み-まか・る/…

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1年前
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母の短歌・特攻機

特攻機に 乗らむとかの日 聞きしゆゑ 積乱雲は かなしかりけり  『戦争反対』という言葉を掲…

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1年前
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母の短歌・小学校記念式典

合図待つ 低学年の 集団より はや二つ三つ 風船上がる 記念式典中、こどもの手から風船が離れてしまった情景です。 稚さ(いとけな-さ/おさなくて小さいさま。あどけない)。 おぼつかなさ。ーーなにかぴったりな言葉があるように思いますが見つけられません。 こども本人にしてみれば大事件だったりする事もあるのですが、作者である母はこれを見て微笑ましく感じたのでしょう。厳しい教師も多かった昭和54年の歌、どうかこどもに寛大な処置を笑。 情景のみを描写する事によって作者が抱いた心情

母の短歌・子牛

売られゆく 子牛が拗ねて 散らしたる 橋の上に置く 霜あらあらし 山村で暮らしていた母が10代…

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1年前
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母の短歌・遺書

かりそめに わが書く遺書を 思へれば 子に関りて 涙あふれつ ショッキングな題名にしてしまい…

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1年前
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母の短歌・字余り

檻に近く眼を閉ぢて聞きゐたり盲の児らと熊を見るべく  昭和30年の句だそうです。母は盲学校…

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1年前
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母の短歌/冬のリアルな情景

前席にかけたる人がしばらくを皮ジャンパーより冷気を放つ             ○  そ…

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1年前
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母の短歌・日常

母われの知らざる笑みを娘はもちて即売会に花を売りをり さりげない日常の一瞬の情景を切り取…

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1年前
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戦時中、母の短歌

『宇宙船よりあまた兵士の降り来るを幼きわれはよく夢に見し』    最大級の情勢不安である…

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1年前
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