担任の先生。

小学校の4年から6年までクラス替えが無かった。

変わり映えのない顔ぶれで、学級崩壊寸前になった期間もあった。クラス替えはあった方が良い。

5年6年の時の担任の先生は女性で、その当時は30代半ば後半くらいの年齢だったと思う。

結婚していて子供もいる。でも、その先生は仕事にも一生懸命で出世することにも貪欲だった。

理科が得意だったらしく、理科室を使って火山噴火の実験をやってくれた。富士山の様な形に土を盛って、その中に火薬を詰めた。点火すると山の中腹からムラムラと音がし始め、山頂からゴウゴウと音をたてて土が噴き出した。噴き出した土は垂直に高く上がり、火薬が尽きると静かな山に戻った。

6年1組の児童は目を見張って息を止めるようにして、小さな火山を見つめて、山が静かになると「おー」と誰もが小さく感嘆な声をあげた。

その担任の先生は、定年前には教頭になっていたそうだ。きっと、たぶん、校長になりたかったんだろうなぁ。

仕事と家庭、そして子供。全てを持ってる人が羨ましい。

私には何も無いや。

朝、バイトに行くいつもの20分で、そのことを思い出していた。何で急に思い出したかな。