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秋田の大雨で被災しました ~床下点検口の作業記録③ 床下に潜る~

床下に潜るといっても、それは簡単なことではありませんでした。

入り口は小さく、しゃがんでは入れるものではありません。

高さも45センチほどしかありませんので、這いつくばって匍匐(ほふく)前進のように進むしかありませんが、下は泥水なので、ぐっちゃぐちゃになること必須です。

そこで、床下に入るための準備をしました。

まずはワークマンに行って、頭に装着できるライトを買ってきました。

潜っても真っ暗で何も見えないからです。

ワークマンが開いていて良かった。

次に、ダイソーに行って、カラーボードとタイヤ付きの簀の子、木工用ボンド、大きめのクリップを買ってきて、車を作りました。
(近くのホームセンターが2件とも浸水休業していたので、ダイソーだけが頼りでした。)

初号機表面


初号機背面

真ん中にもタイヤがあると安定するのですが、真ん中にタイヤを付けると点検口の中に入れることができなくなります。

くにゃっと曲げないとこの長さは入れることができないのです。

すなわち、人間も、くにゃっとしながら入らないと入ることはできません。

腰痛持ちの為、腰が折れそうな作業です。

(以下、現段階でこれは必要だ! というもの)

上下濡れてもいような撥水の作業着、ゴム手袋、マスクも必須です。

(ゴーグルは始め付けていましたが、マスクの呼吸で曇って何も見えなくなるのでやめました。)

背の低いバケツ(何せ、高さが45センチしかないので高いと作業しづらい)が複数個あると便利。

スポンジ(めっちゃ重要。たくさんあってもいいかも。)

準備ができたところで、床下に入ります。

車を入れ、後輪に両膝を載せ、スライドさせて足を奥に持って行きます。

胸を前輪に載せ、両手を濡れた地面につき、頭のライトで目の前を照らしながら進みます。

するとやっと全体像が見えました。

床下中が泥だらけです。

時間が経つとやってくる透明の水は、この泥水の水だけがながれてきていたのです。

このまま作業を続けていた場合、水はなくなりますが、泥が土となって残り続けることになり、その土をきれいにするためにはまた水をいれなければなりません。

床下には、排水などをながすためのポンプが通っていました。

このポンプを乗り越えないと先には進めません。

そこで、最初に作った車は、初号機と名付け、2号機と3号機を作りました(結果ダイソーの簀の子車を買い占めてしまいました。すみません)。

2号機 四角い簀の子が売り切れて丸に変更。

初号機でポンプまで行き、2号機をポンプの向こう側に置いて乗り換えます。

その向こうに3号機を置いて、2号機から3号機に乗り移りながら家中を、いや床下中を滑り走るのです。

結果的に、これはうまく行きました。

身体がそんなに濡れないことは心理的な抵抗を軽減させます。

基本的に寝そべりながらの作業の為、汚れていないボードの上に顔を載せたりできるので、安心です。

床下はとても冷たいので、身体の冷えを防ぎます。

カラーボードは温かくて良かったです。

このように、まずは床下に入り込むこと自体が難しいです。

これを簡単に、水と泥を取り除いてきれいにしてから連絡してください。
消毒は無料でやって上げますよ、なんて言われたって、できないのです。

床上の泥作業であれば、立った状態で、いろんな道具と人力を使って、水圧で泥を流したり、水を拭きとったりという作業ができます。

その同じ泥を、高さ45センチの空間の中、水も使えずにバケツとスポンジだけを持ち、這いつくばりながら、たった1人で作業するのです。

これをすべての家主がそれぞれやってくれったって、普通はできません。

このことが全く知れ渡っていない気がしています。

多くの家が床下の状況を放置しているのではないかと推測します。

つづく

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