見出し画像

40過ぎてピアノを習い始めた話。

娘がピアノを習いたいと言い出してから、私も、とピアノを始めた。
かれこれ4年目になる。
自分から何かをやりたいと思ったのは
これが初めてでとてもわくわくした。

小3からバレーボール漬けの毎日を高校卒業まで続けてきたけれど、始まりは私の肥満ぷりに呆れた母親にダイエット目的でぶち込まれたのだから、そこに私の意志はない。
それでも動けるデブは成長期と相まってびっくりするほどスリムになったわけだけども。

あんなに長く続けたのにバレーボールはイチミリも好きじゃなかった。
ただの毎日のルーティーン。
ご飯食べて学校行ってバレーボールやってがワンセット。

団体競技と違って個人種目はいいな、と思った。すべて自分の責任だ。
しかもピアノは家でできる。
天気も関係ない。素晴らしい。
いくつになってもできる。
これはもう大人の趣味にぴったり。

そう思ってピアノのレッスンに通い始めた。
音符も読めないからすべてイチから。
楽しくて楽しくて毎日ピアノを練習した。
仕事から帰っても休みの日も。
レッスンに通うどの子供よりも練習してる!と先生に誉められて嬉しかった。
(大人の生徒は私ひとりしかいない。)
ところが4年目の夏から私は壁にぶち当たっている。

わかるとできるは違うのだ。
指が動かない。
譜面も覚えられない。
もはや自転車と同じように体で覚えている。今年になって始めたブルグミュラー。
すなおな心→アラベスクときて
今はパストラル。
ピアノ初心者の私にはブルグミュラーは音符がピアノって感じでたくさんあって
ピアノが弾けるヒトになったみたいでほんとにうれしいんだけど、もうぜんぜん進まない。
先生もそろそろ嫌なんじゃないだろうか。
何度教えてもできない。
理解しているのにその通りに指が動かない。
数回レッスンを休んだら振り出しに戻る勢い。
とうとう娘に抜かれて、娘はそのままブルグミュラー。
そんなに大変なら一度もう少し楽なテキストに戻ったほうが、、と言われる始末。

できない悔しさと情けなさ。
あんなに練習してるのに。
私はブルグミュラーを練習したいんだ!
悔しいなあ。
出来ないことも、先生に諦められているのかな、って思ってしまうことも。
先生はぜんぜん嫌な感じじゃなくて、多分もっと、簡単なのをサクサクすすんで弾ける感覚を養ったほうがいいっていってるんだけどね。
あと、弾けなくても脳トレになってるから!って、ポンコツな私をフォローしてくれる。

でも、ひとりで黙々と練習できるのが
ピアノのいいところ。
毎日バレーボールやってた時には感じた事のない感情と向き合ってるのも新鮮。
悔しくて仕方なくてでも誰のせいでもない
この悔しさと共に私は今日もピアノを弾く。
誰の為でもなく少女時代の空っぽだった私のためにピアノを弾くのだ。
空っぽな私を埋めるためにコツコツ、40年分位の大きな空洞を埋めるのだ。
私が私になれるように。


サポートしていただけるならおいしいコーヒー飲ませていただきます( ´艸`)