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【株式会社プレイノベーション】代表取締役 菅家元志様インタビュー

こんにちは!

インターン生の伊藤拓真です!

今回の記事はIT技術を活用した中小企業支援をはじめとして、様々な分野にITを活用されている菅家さんにインタビューをさせていただきました。

インタビューをさせていただく中で、私自身も菅家さんみたいな大人になりたいと思える魅力的な考えをお持ちの方でした。

皆様もぜひ、一読してみて下さい!


Uターン起業と事業におけるIT活用について

―事業内容について教えてください。
3つキーワードがあります。1つ目は「ビジネス」です。簡単に言うと地元の中小企業を対象に経営コンサルティングをしています。新しいビジネスの種探しから、ビジネスモデルのデザイン、事業計画の策定、アクションが加速するチームビルディング支援、新会社立ち上げまでのトータルプロデュースを行っています。2つ目は「テクノロジー」です。IoT・AI・クラウド等の導入支援から、WEBやスマホアプリ等の設計・実装・運営保守までワンストップでサービスを提供しています。3つ目は「クリエイティブ」です。WEBやモバイルアプリのUIデザインを主な領域としていますが、ロゴや名刺デザイン、コーポレイトサイト等の制作も行っています。

―Uターンをして起業をしようと思った理由について教えてください。
震災と原発事故がきっかけです。大学時代は福島に戻ることを考えていませんでした。しかし、震災と原発事故が起こったことで、福島復興のために、凄い人や熱い人が集まりだしました。元々、福島で活動していた方々もある種、覚醒し、動き始めました。そのような方々との出会いを通じて、私は、そのような人たちと仕事がしたいと思いました。そこには私の行動原理である「面白いことを面白い人としたい」という考えがあります。また、大学生時代に復興支援のボランティアをしていく中で、ボランティアの限界を感じ、福島が復興するために必要な持続可能な仕組みを作らなければならないと考えました。そして、面白い仕組みやビジネスが福島から生まれることで、逆境の福島だからこそ世界に新しい価値を提供できるようになった、と言われたいという思いもありました。

―Missionの中に「あそび」という言葉が多用されていますが、どの様な意味を込めて使われていますか。
会社を創業した時に取り組んだ事業は教育・福祉領域でした。背景には震災と原発事故により、子どもたちが外で遊べず体力が落ちている等の社会問題がありました。私たちは、「あそび」に最新テクノロジーを掛け合わせることで、子どもたちの問題解決を図れるのではないかという思いから、プレイ事業を始めました。また、「IT×あそび」という組み合わせに他業種の方に興味を持っていただき、「IT×○○」の図式が広がるきっかけにもなりました。

余談ですがこれからの時代、AIが人間の仕事を奪うとも言われています。どの様な仕事が人間に残るかを考えた際にポイントとなるのは「あそび」であると考えます。AIやロボットが模倣しやすい単純作業ではなく必要な人の心や体に向き合い新たな感動を与えるクリエイティブな仕事、つまり「あそび」は人間だからこそ果たせる役割だと考えています。

―地方でITを活用しようと思ったきっかけを教えてください。
ITは便利そうだけど具体的に何をどの様にすれば良いか分からないという声をお客様に頂くことが多く、結果として自社の役割としてIT推進のお手伝いをすることになったと思います。

―地方でのIT活用の可能性について教えてください。
これから地方では、IT活用がより進んでいくと予想されます。したがって、「地方×IT」はビジネスチャンスだと思います。IT化が進むことで、一番インパクトを受けるのは地方を支える労働集約型産業です。今後も私たちは地方におけるIT活用のお手伝いをしてまいります。

―地方でITを活用する難しさについて教えてください。
現状として、東京よりもITリテラシーが高いとは言えない状況が挙げられます。また、ソフトウェアという形のないモノに対しての金銭感覚が育っていないことも弊社目線での課題として存在します。ITに関するリテラシーや金銭感覚の底上げも地方における役割の一つだと認識しています。


会社経営と時代の変化

―今日の会社経営のあり方について教えてください。          大企業のみならず中小企業も新しいチャレンジを始めなければいけない時代です。会社経営は、「知の探索」と「知の深化」の二本柱が重要です。「知の探索」とは、自社の既存の認知範囲を超えて、遠くに認知を広げていくことです。「知の深化」は自社の持つ一定分野の知を継続して深堀し、磨きこんでいくことです。飲食店を例えにすると、「知の探索」が新メニュー考案で、「知の深化」は既存の商品をより美味く、より効率的に作る方法を考案することです。すなわち、新規事業開拓という「知の探索」が求められています。このことに関する詳細は『両利きの経営』という書籍に書いてあります。詳しく知りたい方はご一読ください。 

―これからの時代はどのように変わると考えますか。
変化がより激しい時代になるのは当然ですが、「超ローカルと超グローバルの時代」になっていくと考えます。

―「超ローカルと超グローバルな時代」について教えてください。
「超ローカルと超グローバルな時代」とは、「超グローバル」がGAFAなどの多国籍企業のことで、「超ローカル」とは地元の中小企業のことです。多国籍企業は広く社会全体にインパクトを及ぼすことが出来ますが、地方のある人々に対して直接的にインパクトを与えられません。一方、地元中小企業は広く地球社会全体にインパクトを及ぼすことは出来ませんが、地元の人々に対して向き合ってサービスを提供することができます。よって、今後の社会は二極化する、「超グローバル」と「超ローカル」の協働が必要になります。そして、私達の会社は「超グローバル」と「超ローカル」を結ぶ立ち位置です。ビジネスで大事な要素には「人脈」「技術」「資金」がありますが、地元中小企業は、「人脈」と「資金」があるケースも少なくはないので、私達が、「技術」を提供することでビジネスのお手伝いをしていきます。


―「超ローカルと超グローバル」の関係性の具体例を教えてください
建設業界を例えにさせていただきます。建設業界は深刻な労働力不足の問題に直面しており、それを打開するためには労働生産力の向上が不可欠です。特に、建設会社の90%が小さな企業であり、資金的にも時間的にも余裕が無い状況です。建設業界では、現状データ取得や活用の面において後れを取っており、十分に活用をすることが出来ない状況でした。この状況に対して、大手建設機械メーカーが中心となって、建設業界にオープンIoTプラットフォームをつくりました。IoTを通じた建設生産のプロセスの変革をサポート、データの蓄積をすることで、生産力向上、顧客満足・従業員満足の向上を図ることが目的です。私達はそのプラットフォームと連携し、中小建設会社向けに建設情報可視化アプリを開発しました。このことは、『日本型プラットフォームビジネス』という書籍にも紹介されているので宜しければご一読ください。


仕事上での考え方と大学生へのメッセージ

―お仕事をされる上で大切にしている考え方を教えてください。
私たちプレイノベーションは、「あそぶ」「つくる」「ひろげる」をチームの行動指針として設定しています。私達は、新しいことを考え出すことが多い仕事です。そこでは多様性や変化を楽しみ、新しい組み合わせを探求することが必要であり、それを「あそび」に込めました。また、「つくる」には、仕事にのめり込む環境を自ら作り、新しい価値を生み出し、周囲へプラスの影響を波及させるという意味を込めました。「広げる」には気付き、学びを共有し可能性を世界中に広げるという意味を込めました。特に、私達は「広げる」ということに関して、毎週の学びをオンラインとオフラインの両刀使いで、社内で共有するなど、変化が激しい時代において、学習効率を上げるということに関してこだわりを持っています。

―大学生のうちにしておくべきことはどの様なことが挙げられますか。
学生時代に勉強や研究、ボランティア、インターンアルバイトを経験する中で感じる自分が楽しいと思えたことに積極的に挑戦することをオススメします。様々な経験をする中で、多様な価値観や考え方に触れて共感することがあると思います。それらを感じた際には、なぜ共感したのかについて理由を探し、検証してみて下さい。また、常にどこに熱い人や凄い人が集まっているかに対してアンテナを張る必要があります。彼らと出会うことができるとそれは、学生の皆さんの人脈となり財産になるはずです。


今後の展望について

―今後のお仕事について教えてください。
今日、インターネットやスマホが文明になりました。私は、今後なにが世界の文明になるのかを考えています。その中で、それに対する一つの案として、世界中の組織が情報や知識、を今よりも使いこなし、新しい価値を生み出しやすくなるような環境インフラが次の文明のヒントになるのではないかと考えています。


終わりに

ITについて疎い私にとってIT活用の最先端を行かれる菅家さんのお話を聞くことは貴重な時間になると同時にIT活用の有用性について強く感じることが出来ました。また、インタビューを通して、自分自身の中身のなさについて感じる機会にもなり、常にアンテナを張って思考を巡らせて行こうと感じるきっかけになりました。

菅家さん、お忙しい中インタビュー取材にご協力くださり誠にありがとうございました!

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