見出し画像

ゲイ大学生が初めてHIV検査受けてみた話

前夜

ずっと受けなきゃいけないとは思っていました。

2021年の夏、初めて性行為をした私はたがが外れたようにそれにのめり込んでいました。

特別快感があったわけではありません。それを理由に肌に触れて、密着して、疑似的に愛情を感じられることが、一瞬ですが心地よかったんです。

今思えば、自分のあほさに涙が出ます。一回きりでなにが愛情だ。交通費もったいないわ。

もちろん、そんなあほにも、ゴムを付けなきゃいけないとか、ゲイはHIVにかかりやすいとかそういう知識はありました。

しかし、相手に「つけると痛いから」とか、「僕はそういう病気ないから大丈夫」とか言われて、流されるがまま付けずにしてしまったこともありました。正確な数は覚えていませんが、3回くらいだと思います。

その時期から、性病検査に行った方がいいと思ってはいて、新宿の検査室のホームページを見たりしていました。

しかし、そのころの検査室はなぜか恐ろしく混んでいたし、私自身もし陽性だったらどうしようと、結果を知ることへの恐れで、なにかと理由をつけては忘れてきました。

急に今受けようと思ったことに、特別な理由があったわけではありません。

しいて言えば夏休みにいろいろ予定があるので、その前に受けときたいっていうくらいでしょうか。ずっと彼氏に対するうしろめたさみたいなものもあったし。

ということで、明日わざわざ隣の県まで行って検査受けてきます。

note見て、いろんな人の検査の体験談を読んだり、感染が発覚したときを振り返った文章を読んでいます。

今は、楽観と不安が半々です。

というのも、私は初期症状らしい初期症状はなく、そういう行為ではタチしかしたことがなく、そもそも感染する確率自体低いようなので、大丈夫なんじゃないかなって、希望を持っています。

しかし、一方で、もしHIVだったらどうしよう、金銭的な問題、体調や健康、彼氏や家族…。

受けなきゃずっと不安なんだから、受けるのがどう考えても正しいと思いつつ、今もやめようかなと思う自分がいます。知らぬが仏って言うし(ことわざまで言い訳に使う始末)。

明日の夜、追記します。


当日

なんとか起床に成功。通勤途中のサラリーマンとともに電車に揺られてやってきたのは初上陸の某市。

ぎりぎりの到着だったので慌ててエレベーターから降りると、すごいシーンとしたフロアに到着。

勝手がわからず立ち尽くしていると、少し年上の私服のお兄さんが出てくるところでした。正気に戻った私はとりあえずお兄さんが出てきた方の道へ進みます。

すると受付がありました!番号を告げるとスタッフの方が仕切りのなかに誘導。ここで問診表を書きます。

心当たりのあることみたいな項目で、性行為(同性間)にチェックするのを若干ためらいつつも、スタッフの方のことを信じて正直に解答。

書き終えるとすぐさまお医者様との問診へ。

「答えたくないことには答えなくていいですからね」と優しくお声がけいただきましたが、そこまで深堀されなかったので全部答えました。

ちなみにこの時点で心臓バクバク。結果が怖いというよりは、なんだかよくわからないままレールに乗せられていることに緊張していました。

その後すぐに採血へ。

ベテランっぽい看護師さんのため口の指示にお行儀よく従います。

人生でも数回しか採血やったことなかったので怖かったんですが、針が刺さってしまえばそこまで怖くなく、血が試験管にたまっていく様子を鑑賞。

その後、言われた通りの姿勢で止血して、しばし自由の身に。

ちなみに、検査の部屋のなかではずっとミスチルのGIFTのオルゴールバージョンが流れていて選曲がとても気になりました。一番きれいな色って何だろう。

あと、止血するスペースには性感染症に関する読み物とか、試供品のコンドームもありました!もって帰ろうと思っていたのに完全に忘れていたけど、彼氏に見つかって浮気疑われるよりはマシか…。笑

その後、指定された時間に再び戻り、受付を済ませるとさきほどのお医者様が待ち構えている!

他の体験談を読んでいると、待っている間に「感染してたらどうしよう」と考えたという記述がよくあったのですが、待ち時間0分でお医者様との面談へ。

番号を一緒に確認した後、結果を見せられます。

陰性でした!!

正直直後は実感がなかったのですが、だんだんと安堵が押し寄せてきます…。

お医者様も、3か月経っているので完全に陰性ですねと言われて一安心でした。

検査受けて感じたのは、まーじで受けてよかったということですね。今までふとした瞬間に思い出すことが多くて地味に気になるけど結果聞くの怖いみたいな状態だったので、やっぱり気持ちがすっきりしました。

現在の彼氏とは挿入行為をしないため、あまりそういう話をしたことがないのですが、これでもし聞かれても自信をもって言えるなと思います。

まあでも、これは陰性だから言えることではあります。

私自身、いろんな人の体験談を読んで、陰性だから言えるんでしょと思ってました。

しかし、よくよく考えてみれば、HIV感染が発覚した人の体験談でも、検査受けなかったらよかったなんて人見たことないんですよね。むしろ、検査を受けるまでの悩んでいる時間が一番苦痛だったと書いている人もいたり。

なかなか気の進むことではないのはたしかですが、検査レポ書くぞ!と思って陰性陽性気にせずいったん受けてみることがいいんじゃないかなと思います。恐れとか気にしてたら一生受けられないので。

あと検査で感じたのは、プライバシーが信じられないくらい順守されていることですね。あと、基本みなさんとてもやさしくて安心しました。

正直私はゲイであることを打ち明けた経験がまだあまりなく、普段は隠して生きているので、問診表でそれを間接的に打ち明けることになってしまうという意味では不安でした。

ですが、当然のことですけどスタッフの皆さんそんなことでは全く動じません。興味もなさそうでした。その深入りしないスタンスが私にはとても心地よかった。

採血してもらうこともなかなかないし、貴重な体験だったなあと思います。

あと嬉しいのが献血に行けること!

ずっと行ってみたいなあとは思ってたんですけど、服薬の関係があったり、HIVのこともあって行けなかったので、ついに行けます!

献血デビューしたらまた記事あげようと思います

最後に、もうHIV感染が不安になるような行為はせずにまっとうでセーフティーな性生活を送ると決意して、体験談終わり!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?