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争奪戦必至のプロ野球チケットに対し、パ・リーグ球団が示したひとつの解

コブ山田です。

ようこそいらっしゃいました。

今回は、対中日戦の外野席のチケットの売り方について、記します。

2024年06月。今年もやってきましたプロ野球セ・パ交流戦!
今年は日程にも恵まれ、オリックス・千葉ロッテ主催の中日戦合計06試合すべて外野ビジターのチケットを買えました。

ただ、買うときに感じたことがあります。

チケットぴあ予定枚数終了のオンパレード

この通りです。チケットぴあではほとんど買えませんでした。

04月01日(月)の、京セラドーム大阪中日戦一般発売開始の際にチケットぴあで買おうとするも、下段外野ビジターは予定枚数終了。
中日ファンの買いが殺到したということです。チケット争奪戦は一旦は負けの形になりました。

えーどうしようかなと思っていたところ、球団公式のオリチケにアクセスしたらレフト側が妙に青い。
観に行けないのとは雲泥の差です。迷わずオリチケで01日(土)、02日(日)のチケットを買いました。

まあ中日ファンでオリックスのファンクラブ入っている人少ないし仕方ないか…と思っていました。
私は、オリックスのBsCLUB無料会員です。

それから23日後の04月24日(水)。
同じようにZOZOマリンスタジアム中日戦一般発売開始の際にチケットぴあで買おうとするもビジター外野応援は予定枚数終了。

そう、まるで再現ドラマのようなことが起こったのです。大阪のオリックスも、千葉ロッテも、チケットぴあでの一般発売には敗れるも、球団公式のチケットでは買えて観に行けたのでした。

その後ZOZOマリンスタジアムのビジター外野応援は片手で数えられる程度の量ですがチケットぴあで復活した瞬間を見ているので一概にそうとは言えず、全体的な傾向としてですが、
オリックス・千葉ロッテ両球団ともに自社のチケット販売サイトでの販売量が多く、一方で一般プレイガイド(チケットぴあ・ローソンチケット)へ卸した量は少なめであると言えます。
中日ファンは、ほどんど使わないであろうパ・リーグ球団の会員アカウントを作成しないとチケットを買うことが難しくなります。
正直、面倒だと思った人もいるでしょう。

この手法について論じていきます。

対戦相手向けのチケットを自社のチケット販売サイトで売る

中日ドラゴンズは年12試合は横浜スタジアムで試合をします。その際にe+とローソンチケットを見ると、買える席は3塁側だけです。
STAR SIDE、レフト、ビジターという文字が並んでいますが、BAY SIDE、ライト、ホームという文字はありません。
チケットぴあに目線を移すと、BAY SIDEの文字が出て1塁側内野席も買えますが"ライト"の文字はありません。
セブンチケット、そして自社のチケット販売サイトであるベイチケでのみ"ライト"・"ホーム"の選択ができます。

このことから、自社のチケット販売サイトで独占的に販売する席種(完全に独占しているわけではないので独占的という表現にしました)に関しては、こう整理できます。

横浜DeNAはホームチームの外野席
オリックス・千葉ロッテはビジターチームの外野席

※後者は2024年交流戦の中日戦で見ただけはあり、パ・リーグ公式戦では販売比率が異なる可能性があります

横浜DeNA方式のメリットは、リピーターの購買データを確実に蓄積できることです。横浜スタジアムのライトスタンドに通う、と言った表現が合う方々がチケットだけでなくグッズや飲食物を買うたびにデータを得ることができます。
ポイントが蓄積されるとステージが上がり、早期にチケットを買うことができたり限定グッズを手に入れることができるため客側にもメリットがあります。公式サイトにはロイヤリティプログラムとして紹介されています。

一方で対戦相手のファンからすれば、その本拠地チームのファンクラブ・チケット会員アカウントを別途作成・管理するのは面倒です。広く使える一般プレイガイドのチケット会員アカウントで買えた方がいい。販売手数料が発生し、かつ自社で購買データは取得できなくなりますが、それより観戦チケット入手の容易さを重視していると考えることができます。

オリックス・千葉ロッテ方式のメリットは、一見客でも購買データを得ることができることです。自社のチケット会員アカウントを作ってもらい、ビジターや3塁側のチケットを買う層だけで抽出すれば居住地、年齢などの点がわかります。
チケットの販売システムそのものはCNプレイガイドのものを使用していますが、仮にCNプレイガイドへのシステム使用料とチケットぴあへの販売手数料が同水準であったとしても、BsCLUBやマリーンズIDという名前がついているのに、球団が購買データを取得できない事態は考えられません。

また、特に千葉ロッテは土日に阪神、中日という関東圏にも熱量高いファンが多く存在するチームとの試合を組むことができました(それどころか関東圏外から千葉県まで来る層もいるほど)。黙っていても売れる状態と言えます。
黙っていても売れるチケットを、売ってくださいお願いしますという必要性は薄いです。一般プレイガイドに販売手数料払うのがもったいない。球団の利益率向上に寄与します。

持ちつ持たれつの関係であり一般プレイガイドに委託する量を0にすることは難しく現実的ではないとは思いますが、こういった特定席種が即完売しそうな試合は自社のチケット販売サイトでの取扱量を増やすのは球団側からすれば自然なことであり、できるものなら少しでもそうしたいと思うものだと私は考えます。

中日戦はオリチケ・Mチケットオンライン両方を見てもレフトスタンドの外野ビジターは土日は灰色に染まる空席なし状態。多くの中日ファンがほとんど使わないであろうパ・リーグのチームのチケット会員アカウントを作ったor引っ張り出したということになります。気乗りはしなかったとは思いますよ。それでも観れないぐらいならそうするということです。

そんな中に、例外的なチームがあります。東北楽天ゴールデンイーグルスです。楽天IDで楽天市場や楽天トラベルを利用したことがあれば、その会員アカウントでEチケにログインでき、チケットを買うことができます。東北楽天ならではの強みと言えます。

最後に

中日は特定の販売チャネルに偏らず、均質的に卸している印象があります。一方で横浜DeNA、オリックス・千葉ロッテのチケットの売り方は明確な意図があって実施していると感じました。
安定収益が見込めるホームチームのファンを優良顧客として遇すべくデータを取得しようとする考えが読み取れる横浜DeNA。黙っていても売れるなら極力販売手数料を払わずに済ませ、一見客であってもチケット購入データも可能ならば取得しようという考えが読み取れるオリックス・千葉ロッテ。悪い点はありません。どちらも合理的な選択です。

では、コブ山田としてはどうしてほしいかって?
そりゃあチケット会員アカウント乱立させるよりは少なくできるならそうしてほしいですけど、ファミリーマート店頭でクレジットカード決済できれば何でもいいです!

ありがとうございました。

サポートいただければ、本当に幸いです。創作活動に有効活用させていただきたいと存じます。