見れるものなら佐々木朗希の完全試合は見たかった。ただ、降板に反対ではない

コブ山田です。

ようこそいらっしゃいました。

今回は2022年04月17日(日)のプロ野球千葉ロッテマリーンズ佐々木朗希選手について、記します。

2022年04月10日(日)のZOZOマリンスタジアムでのオリックス戦で、千葉ロッテ佐々木朗希は28年ぶりの完全試合を達成しました。
ヒットどころかフォアボール、エラーも許されない最難関記録。ダルビッシュ有や田中将大も達成していない完全試合、佐々木朗希は20歳で達成したのでした。

次の週の17日(日)もZOZOマリンスタジアムで試合があり、井口監督は佐々木朗希の先発を明言します。
そうしてチケットぴあを見てみたら、まだチケットが残っています。見ないと後悔するし千葉なら行ける。
そう感じ、私は北海道日本ハムファイターズ戦のチケットを買い、コブ山田としては初のパ・リーグ観戦をお届けすることとなりました。

東京12:15発の快速蘇我行きで海浜幕張へ向かったので、席には試合開始35分ほど前に到着しました。

スタメン発表時の佐々木朗希への拍手はひときわ大きかったです。

試合開始。遠目から見ていても佐々木朗希の球は速い。遅くても140㎞/h出ていますし、160km/hが当たり前です。
北海道日本ハムのバッターも滞空時間の長いフライであったり内野ゴロと、ヒット性の打球を飛ばすことができません。

私も途中で売店に行きましたが、05回裏の攻撃時を狙って行きました。

そんな感じで誰も佐々木朗希を打てず08回表。清宮幸太郎、近藤健介、野村佑希が控えており、ヒットを打つならこの誰かだろうな…と思っていました。
しかし、この03人も全員アウトで完全試合まであと03人になりました。
02試合連続完全試合が実現したら世界規模の大記録です。それをこの目で見ていたとなると間違いなく一生の自慢になります。

ただ、違ったのは、この日の千葉ロッテ打線です。
佐々木朗希ほどではなくも、北海道日本ハム先発の上沢直之も好投。千葉ロッテ打線に点を与えず、同点のままだったのです。

そうして09回表。観客のほとんどが歴史的完全試合への期待をしていたでしょう。私もそのひとりです。
しかし!1塁側ブルペンから白いリリーフカーが出てきました。それは佐々木朗希の降板を意味します。

えっちょっと待ってなんで代えるの!?これで勝ったら53年ぶりの日本一ってわけじゃないでしょ!?レギュラーシーズンの01試合でしょ!?
完全試合を放棄!?
と私もびっくり。悲しい感情が多く含まれていました。

しかし、冷静に考えてみれば降板もわからなくはないという結論になり、試合を見守ります。
09回表は益田直也が無失点で抑えるものの、10回表に西野勇士が万波中正にホームランを打たれてしまいます。これが決勝点となり試合終了。
千葉ロッテは08回まで完全試合、09回まで継投ノーヒットノーランも負け試合となりました。
一方の北海道日本ハムは完全試合を食らいかねないところでしたが、ひと振りが値千金勝ち越しホームランとなり勝利を収めました。
完全試合達成とまでいかなくても、大きなインパクトがある試合を私は観たのでした。

さて、08回まで24人連続アウトにしながらもピッチャー交代とした井口監督の采配には、当然ながらものすごい反響がありました。

本人のコメントでは、どの展開であれ08回が最長だと決めていたようです。

私の個人的な見解としては、賛否のの方になります。せめて09回表も投げてほしかったのが本音です。
ただ、今回はスコアレスの同点という事情が大きく、納得はできるので賛です。01点でもリードしていたら否です。

2007年の日本シリーズ第5戦で中日の山井大介が岩瀬仁紀に交代した時も、落合監督の采配には賛否両論の渦が巻き起こりました。
ただ、あの時は中日が53年ぶりの日本一のために絶対に負けられない状況であり、かつ山井が指から出血しながらも投げていたという事情もあります。加えて、2004年の日本シリーズ第3戦は岡本真也を交代しようと考えたものの一転続投になり、それが裏目に出てアレックス・カブレラに満塁ホームランを打たれて負けてしまったことがありました。それならば、来年できるかどうかわからない日本一のためにも、交代には合理性があります。

しかし今日はレギュラーシーズンの01試合。しかも04月と優勝が決まるような日でもありません。でも、佐々木朗希は09回のマウンドにいませんでした。

1994年から28年経たないと生まれないほど、完全試合は難しい記録です。松坂大輔も、ダルビッシュ有も、田中将大もできていない記録です。
それを佐々木朗希は連続でやろうとしている。実現したら間違いなく球史に残ります。
同点とはいえ、09回の裏で千葉ロッテがサヨナラ勝ちする可能性もある。私が監督なら、09回までは投げる采配を基本線にします。エンターテイメントのプロ野球ですよ。ヒット打たれたらそこで益田に代えればいい。

その一方で、降板も理解はできると、マウンドの益田を見て思ったのでした。
なにせ、続投させたいだのと言っていますが、私は佐々木朗希と直接会話したことがありません。
遠くからは平気で160㎞/h投げているように見えても、近くで見ている井口監督の目には限界と闘いながらに見えていたかもしれない
2007年日本シリーズ第5戦で山井が出血しながら投げていたというのも、試合後に分かったことでした。

加えて、佐々木朗希はプロ01年目は実戦登板していませんでしたし、ここで無理をさせて故障したら今までの慎重計画がパーです。
井口監督の福岡ダイエー時代の後輩である斉藤和巳みたいに、限界まで投げた結果が散ってしまうような形になるのは避けたかった思いがあっても不自然ではありません。

麻雀で例えると、前回清老頭で上がっていた。今回もまた清老頭ができそうだが、狙いに行ったら振り込んでしまうリスクが見える。
それならもっと簡単に上がる可能性が高い混老頭を狙って、できたらそれで上がってしまうのも手だと考えればわからなくはありません。

他に、打撃陣の調子も無関係ではないと思います。佐々木朗希の異次元投球が目立ちますが、上沢直之も好投していました。延長戦になる可能性も多分にあり、実際に延長10回までありました。
延長戦になると完全試合は参考記録になってしまう可能性が大幅に高まります。その色が濃い状態であるならば、無理させるのは愚策。
意地を張らず、最初に決めた最長08イニングを守る。完全試合をしてもひとつの勝利に違いはない。08回無失点だけを考えて普段通り勝ちに行くのがベストだ。

取り返しがつかない故障をしての連続完全試合に意味はない。その信念に基づいた采配ならば、降板は仕方ないのかなと思います。

今回の連続完全試合放棄がこの先どう出るか。英断として出るのは井口監督、何より佐々木朗希本人次第だと思ったとともに、私もいろいろな声を受けることになることが必至の決断をできる日が来るか、来るなら覚悟して取り組もうと海風受けて感じたのでした。

ありがとうございました。

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