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なぜアーティストは麻薬に手を出すのか?

ピエール瀧が逮捕された。コカインの使用がその理由だという。

彼の場合、アーティストであり、俳優でもある。

歴史を振り返ってみても、アーティストや作家、俳優など、そういった「芸術家」にカテゴライズされる人間が麻薬に手を出す例は枚挙にいとまがない。

彼らは、多忙で疲れているから手を出すのだろうか?
ストレスに打ち勝つため、手を出すのだろうか?

僕は違うと感じる。

会社員も多忙だし、現代人なら誰だってストレスを抱えている。

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アートは問題提起で、デザインは問題解決だ」という言説がある。

ある種、この言説は正しい。

では、問題提起とは、なんだろうか。そこには何が求められるのだろうか。

結論から言えば、必要なのは「葛藤」ではないかと思う。

何かを創り出したり何かを表現するために、求められものは、自分や社会に対しての「葛藤」なのだ。

反対に、優れたデザインを生み出すためには、「悟り」が重要だ。すなわち「悟り」とは、問題解決にいたるプロセスだ。

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完璧に「悟り」を開くのは難しいけれど、その状態に合法的に近づくことは可能である。

最近、マインドフルネスやサウナが流行っているのは、まさにそれが理由だろう。

それらは、合法的に「悟り」へと近づく手段であり、問題解決が求められるビジネスマンには必要不可欠なものなのだ。

自分自身の状態を「問題解決」していくことで、身の回りの出来事にも対処できるようになっていく。

では、「葛藤」はどうだろうか。
「葛藤」はどのようにしたら、作り出せるのだろうか。

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音楽を作るアーティストは、頭を掻きむしって、もがく。
表現をする俳優は、その役に没入しきれない自分に苦しむ。

「葛藤が足りない」

そのような状況下、アーティストたちは、パフォーマーたちは、麻薬に手を出すのだと思う。

麻薬がもたらす「葛藤」は、違法性がもたらす「背徳感」は、彼らの創造性に寄与する。

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僕は決して、麻薬を肯定しているわけではない。

日本が法治国家である以上、違法行為は許されるべきではない。

しかし麻薬に手を出してしまったアーティストたちは、麻薬に走らざるを得なかったのだと思う。

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葛藤。カタルシス。絶望。

人生というジェットコースターを乗りこなしながら、アーティストは作品を作り出している。

彼らが身を削って作り出した芸術に対しては、敬意を持って接したいものである。

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