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◆凸凹ギフテッドの生態◆ 創造性-文章 「穴」


目覚めたら、穴の中にいた。


そして、自分がなぜこんな穴の中になど
いるのかを考えるのを忘れるほど
驚いた。

視線の先に
とてつもない数の目玉が
ぎょろぎょろとひしめき合っていたからだ。

なんなんだ。
俺を監視するつもりなのだろうか。

これ以上目を合わせていたくなくて
横を向こうとしたが体が動かない。

どれだけ力を込めても
体は石より重いようでやはり動かない。

もしかすると、あの目玉に見られている限り
俺は動けないのか・・

「蛇に睨まれたカエル」

ということわざを思い出し
俺は気分が悪くなった。

いや、さっきからもう気分は最悪だが。

とにかく、ここから出なければ。

あの目が地上にあるとしたら
そう高くはないだろう。
だが、こう睨まれていてはしょうがない。

そして、さっきから
できるだけ目を逸らしているのだが
視線が合ってしまうと
突然、目が焼けるような痛みが襲ってくるのだ。

それが特に厄介だな。
どうしたらいいんだ・・

だが、俺は解決策を練り出し
ちゃんと脱出できた。



ーーもう、目はないけどな。




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2023年4月9日より、1日1話ずつ執筆し、ブログに投稿。
主にショートショートや掌篇に自作のイラストやオリジナル写真を添えて。
小学生で自費出版。中学1年生になった今も連日投稿記録更新中。
こあの掌篇集「こあのみずたまり」/note(中1)編 2024年10月現在で500作!!
*今作は、小学生時代に執筆した、こあの掌篇集「こあのみずたまり」/Fc2編 2023年5月投稿文より抜粋。

写真・文・絵/ coaqua

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