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◆凸凹ギフテッドの生態◆ 創造性❷「文章」 「反対の発明品」

僕とm博士はいつも
新しい発明品ができるたびに
互いに見せ合いっこしている。

今日も僕はm博士に呼ばれて
新発明品を見てきた。

今回は
頭の中で考えたことと
違う風に行動してしまう薬だった。

「もう、困るなあ。そんな薬を僕の体で実験するなんて!
こっちの迷惑も考えてほしいなあ。」

・・・と、ふと思いついた。

(この時間を止められたらとても面白い!よし、そのためには・・・)

僕はさっそく研究に取り掛かった。

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「よしできた!!」

あれから半年ほどかかり、ようやく装置が完成した。
ちゃんと、自分の周りは時間が動くように作ってある。

やっとこの装置を試す時が来た。
いよいよ開始ボタンを押す。
「カチッ」と軽い音がした。
・・・突然僕は動かなくなった。

   ・・・・

いや、動けなくなったのか。

(なぜ、なぜだ!機械に欠点はないはずだ!どうして・・
・・せめて世の中の時は止まっているんだろうな。)

もう閉じることのできなくなった瞳で
恐る恐る前を向いてみた。

その途端、僕は殴られたような衝撃を受けた。

最悪なことに、世の時は止まっていなかった。
風のそよぐ音、小鳥のさえずる音、人々の話し声・・・
何もかもがいつも通りだった。

(僕の時が止まり、世のときは止まらない。
これじゃあまるで反対じゃないか!)

・・・・・・反対?・・・・・・・・

ふと、m博士の発明品が頭に浮かんだ。

頭の中で考えたことと
違う風に行動してしまう薬。
その効果が今も続いているとしたら・・?


遠のいていく意識の中で
異変に気づきこちらに群がってくる
人間たちが見えたような気がした。





2023年4月9日より1日1話ずつ執筆し、ブログに投稿。小学生で自費出版。
主にショートショートや掌篇に自作のイラストやオリジナル写真を添えて。
中学1年生になった今も「四快」〜快眠・快食・快便・快文:)
連日投稿記録更新中。

こあの掌篇集「こあのみずたまり」/note編 2024年10月3日現在で488作目!
*今作は小学生時代の掌篇集「こあのみずたまり」/Fc2編 2023年4月投稿文より

写真・絵・文/ coaqua


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