娘、中学を辞める。
会社を辞める少し前の話。
中学2年生の娘が、学校を休むようになった。
いじめられたとかではなく、
単に行きたくなくなった。
嫌なものは嫌だ。
これは僕が大切にしている心の声だ。
娘もまたこの声に従い、学校を行くのをやめた。
しかし、周りはとかく心配をして、
行かないのではなく、行けないのレッテルを貼りたがる。
僕はというと、当時中学のPTAの会長をしていたが、
はっきりと言ってあげた。
「別に行かなくていいよ。」
周りは理解しにくいことだけれど、
僕も同じ理由で会社を辞めることになる。
娘のいない中学の卒業式で、
PTA会長の祝辞を述べる時、
僕は「親から子へ。感謝の手紙」というのを読んだ。
「あなたがこの世にいるだけで私は幸せです。」
何かをしたり、何かを成し遂げたり、
何かをしなかったり、何かができなかったり、しても
あなたという奇跡の素晴らしさは何も変わらない。
あれから7年ほどして、
中学を辞めた娘は自由に生きて、
いろんな新しいことに興味を持って、
素敵な出会いをして、
彼女を大切にしてくれる優しい彼と結婚をし、
この度、赤ちゃんが産まれることとなった。
あなたという奇跡が、また奇跡を生む。
中学を辞める。
会社を辞める。
大切なことは私という声に耳を傾け、
私を大切にすることで、
中学に行くことでも
会社に行くことでもない。
今度は祖父から、孫へ。
感謝の手紙を書く喜びが待っている。
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