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【詩】魔法の世界

「離さんといてや!」

後で支える父
はじめて乗れた自転車。

顔いっぱいに風を受け
自転車とひとつになる。

「離さんといてや!」

「はーい。はい。」

父の声が…

遠くから聞こえる。

父が後で支えていたと
思っていた自転車は
今、僕に従っている。

自転車に乗れた。

魔法みたい。

ペダルを踏み、
一層漕ぐ。

ぐんぐん進む。

魔法みたい。

さっきまで乗れなかった
自転車を1人で操っている。

世界は魔法が使える。

その時から
僕は魔法を知っているんだ。


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