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「やりたいこと」がわからないとき

「『やりたいこと』がわかりません。」
「やりたいことなんてないです。」
これ、時々聞くフレーズです。

キャリアに関する相談会などでお話を聞くとき、私はいつも
「なりたいもの」ではなく「やりたいこと」で考えてください
とお伝えします。

それは、「なりたいもの」で考えると、「その「なりたいもの」になること」が目的になってしまうことが多いからです。
たとえば、「人の命を救いたいと考えて医者になろうと思っていたら、そのうちに医者になること自体が目的になっていた」みたいなケースです。
そうなってしまうと、はじめは「やりたい」と思っていたものも、「やらなければならない」「こなさなければならない」ことに変わってしまい、次第にモチベーションが下がっていってしまいます。
そうならないように、まずは自分がやりたいこと、ワクワクすることから考えてね、という話をします。

そうすると、聞こえてくるのが、「やりたいことがありません」「やりたいことがわかりません」という声なのです。

確かに、いきなり「やりたいことは何?」と聞かれると出てこないのは確か。
それでも「ありません」というのは…ほんとに?本当にない?

先日もクライアントの方が「やりたいことなどない」とおっしゃっていたので、「本当にないですか?何かやりたいと思っているのに口に出していないことはないですか?」と聞いてみました。
なぜなら、その方は初めてのセッションのときから、なんとなく何かを心の奥底に押し込めているように見えたからでした。3回目のセッションで、そのことを正直にお伝えすると、しばらく考えた後、ぽつりぽつりと学生時代に夢中になっていたものについて話し始めました。

そのときのクライアントの方の瞳の輝きと表情は、本当に生き生きしていました!

今、忙しい社会の中で必死に働いている方は、自分のやりたいと思っている気持ちをどこかに無理やり押し込めて、それを見ないようにして過ごしているのかもしれません。
そして、その素の気持ちを見つめる機会を失い、次第にそれがあったことも忘れてしまうのかも。
となると、「やりたいことなどありません」という状態になってしまってもしようがないかも。

「やりたいこと」を自分の心の中から見つけ出すには、
その想いに気づいたら口に出してみること、
口にした時に、それを否定せずに受け止めて話を聞いてくれる人がいること、
この2つが大事かもしれません。
安心して想いを口に出せる場所・人があれば、やりたいこと、見つけられるかもしれません。

皆さんには「やりたいこと」を探す手伝いをしてくれる人はいますか?

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