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【47】 ビジュアライゼーション

私たちの思考の中核は映像です。
私たちは、映像で思考し、思考したことを実現するように認識し行動します。
公式 I × V = R が示すように、マインドは臨場感の高い映像(鮮明なイメージ)を実現するように働いています。


支配的な映像

意図的にゴールを設定していようがいまいが、私たちは常にマインドを占めている映像に向かって進んでいます。
この映像を支配的な映像(dominant picture)といいます。

支配的な映像は、強い感情をともなった経験に関する情動記憶であることが多いです。
強い感情を伴った経験を繰り返し思い出すことで、その情動記憶がマインドのなかで支配的な映像となります。

なぜかいつも同じ失敗をしてしまう、人間関係のトラブルに一定のパターンがあるといった場合は、その失敗やトラブルが支配的な映像となっている可能性があります。
意識的に失敗しないように気をつけていても、支配的な映像が置き換わらない限り、無意識は失敗やトラブルを「ちゃんと」実現してしまいます。
むしろ「失敗をしないようにしよう」と考えることで、失敗している映像はマインドのなかでより支配的になってしまいます。


置き換えの映像

では、失敗やトラブルを繰り返すことを回避し、自分の理想とする状態へ向かっていけるようにするには、どうすればよいのでしょうか?
そのための方法の1つがビジュアライゼーション(visualization)です。

ビジュアライゼーションでは、理想とする状態、ゴールを達成した時の世界や自分の姿を今すでに達成しているものとして一人称視点で映像化します。
このとき、ただ視覚的に映像化するだけでなく、その世界を五感で体感します。

たとえば、ゴールを達成したときの自分は
どんな仕事場で仕事をしているのか?
他人からどんな風に話しかけられているのか?
どんな食事をしているのか?
家の雰囲気はどんな様子で、ベッドはどんな寝心地なのか?
といったことをマインドの中で五感を使って体感してください。

そして、ゴールの世界を体感したときに生じるポジティブな感情をしっかりと味わってください

映像をできるだけリアルに五感で感じ、そのときの感情をできるだけ強く感じることを繰り返し繰り返し行うことで、マインドを占める映像が過去の記憶にもとづくものではなく、ゴールや理想を実現したときの映像に置き換わっていきます。

この映像を置き換えの映像(replacement picture)といいます。

マインドを占める映像が置き換われば、無意識はその映像を実現するように働きはじめます。
これによって、私たちの認識や無意識の選択と行動は、ゴールを実現するためのものに変化します。

過去の失敗を思い出したり、将来の心配をする代わりに、理想の未来を繰り返し映像化することで、自分の望む方向に進んでいけるようになります。


ワーク
目を閉じてリラックスし、10年後に自分はどうなっていたいかを想像してください。思いつく限り最高の未来の自分です。
想像したら、その世界を五感で体感します。そして、その時に生じた感情をしっかりと味わいます。
想像する内容は毎回変わっていて構いません。気が向いた時に、繰り返し行ってみるとよいでしょう。